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人生とは年輪と人は言う
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□◆□◆ブラッディー講座 特別編□◆□◆

F-1Grand Prix2004 Pre View

1、レギュレーション
まず、今年のレギュレーション変更について説明しよう。
今年はメカニカル、スポーティング共にさらに大きな変更が行われた。
これは2003年より段階的に施行されてきた変更の締めくくりとなるもので、FIAの打ち出す[コスト低減]「より拮抗したレース」を目指すものだ。
では、このレギュレーション変更の内容とその影響について自分なりの解説をしてみることにする。

@金曜日予選の中止
昨年までは 金曜日に燃料を最低限積んだ全開アタックが実施されていたが、今年は土曜日の午前中にスケジュール移動。従って、この全開アタックでマシンを壊してしまうと、午後の予選にも響く。
さらに、昨年から実施された最終予選後のマシン保管は継続されるため、決勝にまで影響が出てしまうことになる。
これによって、予選での全開アタックはなりを潜めることが予想されると共に、金曜日のセッティング時間も使い方が変わってくるだろう。もしかしたら金曜日はサーキットに閑古鳥となってしまうこともありえる。

A1レース1エンジン
今年からエンジンは1台に付き1基が義務となった。
つまり、金曜のフリー走行から日曜の決勝終了まで約600kmを1基で走る必要がある。
耐久性の向上が必要であるが、パワーも絞る必要性が出てくる。但し、スペアカーに関するレギュレーションがはっきりしていない。従って昨年以上に事前テストが重要となってきてしまうので、実際にコストが安くなるかどうかは微妙・・・。

Bフルオートマチックギアボックスの許可→禁止
昨年の11戦イギリスGPから禁止することになっていたのであるが、実際には禁止する方が大変だということで正式に許可となった
・・・・
という報道があったのであるが、これは予定通り禁止された!!
結果的にドライバーがレブを確認しながらの走行と言うことで、各ドライバーのマシンコントロールが重要な課題に!
同時にTVで車載画像を放映する際にタコメーターを表示できるようになった。

Cロウンチコントロールの禁止
マニュアルクラッチ供給完了時点で廃止するということになっていたが、これもBと同じ理由で許可。
・・・・
という報道があったが、こちらも禁止に!
スタートでのクラッチワークが必要となり、スタートの得手不得手はドライバーに左右されることとなった。

D金曜日の2時間占有走行枠廃止
昨年ルノーチームが大いに利用したこの制度は、結局弱小チームを救うことには役立たず廃止。
鈴鹿で見る限り、この走行枠はかなり有効だと思ったのだが・・・

Eエアボックス大きさの規定化
エンジンカウルの形状が今年は細かく決められた。この結果昨年型よりもやや大きめに見えるエアボックス形状となった。リアウイングへの気流の制御が今年の空力の鍵か?

Fリアウイング翼端板の大型化&エレメントの制限
リアウイングは翼端板の大きさ規定が変わって、後方に10cm大きくなった。
但し、エレメントは2枚に制限され、延長された翼端板にはエレメントを延長することが出来ない。
翼端板の延長は空力的には有利。エレメントの2枚化は空力的には不利。
エアボックス形状との兼ね合いが大きく空力を左右する。

Gリアカウルの大きさ規定追加
リアカウルは最近エンジンとギアボックスの小型化が進み、空力的影響もあって小型化されてきていた。
ところがスポンサー名を入れる部分が少なくなってきたために、なんとスポンサー名を大きく見せると言うだけの目的で!側面の透視面積の大きさが規定化された。
これによってリアウイングへの気流が変わり、F項とセットでダウンフォースが30%程度減ったとか。

2、マシン
次にマシン面でのプレビューである。

@フェラーリ
チャンピオンチームフェラーリは1月27日に新車を発表!今年もコンセプトは「低重心、曲面」であり、F399以来の伝統が息づく。
特に特徴はないが、ホイールベースの外側で改善を図れるという今までの思想が随所に見られ、モノコック自体はF2003GAの再利用のように極似している。
唯一の特徴はバージボードの形状で、ここだけは2枚翼という新たなチャレンジがある。フロントノーズやリアウイングはシーズン途中にどんどん進化するであろう。
他チームが[革新]に変わる中でフェラーリが[保守]にこだわるのは、このチームが1996年当時のウィリアムズのように、現時点のテクニカルレギュレーションの最適値をすでに見つけてしまったからではないだろうか?もし、そうであればこのチームに死角はない。
但し、昨年のスポーティングレギュレーションに乗り切れなかったという意外な脆さも心配ではある。

そしてもう一つの不安はミハエル引退説。確かに今年36歳を迎えるミハエルの体力的問題もある。
さらに、セカンドのバリチェロが昨年後半の好調を糧に、今年は本気でミハエルに挑みたいと考えていると発言。最大の敵はチームメイトなのか?
新車発表後も旧型F2003GAでテストを続けるフェラーリの姿勢は余裕なのか?
F2004は2月初旬のバレンシアテストに初参加。いきなりコースレコードを更新。フィオラノでのシェイクダウンでもF2003GAのシェイクダウンタイムを更新。やっぱり余裕か?

AウイリアムズFW26
革新的なフロントノーズは、実はノーズ先端を極力後ろにしたいための施策。これによってフロントウイング後端ギリギリまでノーズを後退させることに成功した。この短いノーズの下面を流れる気流は、スムーズにモノコック下面に流れ、バージボード内側へ導かれる。
この気流を生かすため、昨年までのザウバーのようにフロントサス取り付け部のキールがボディー両サイドに分かれて取り付けられている。
リアエンドの絞込みはフェラーリと一線を画す直線デザイン。特にエアボックス後端の処理は、より長く後ろに伸ばしてボディー左右の整流を試みている。リアウイングのエレメントは、実戦では3次曲面になると思われ、その処理によってリアのダウンフォースを制御するつもりだろう。
テストでも絶好調で、マクラーレンとシーズン前の下馬評を2分している。


心配の種はモントーヤの2005年マクラーレン移籍。すでに移籍の決まっているドライバーをこのチームがちゃんとサポートするのだろうか?ラルフも安定感がなく、結果を残せるドライバーではない。
このクルマにトゥルーリあたりを乗せて見たいと思うと思うのは私だけであろうか。

BマクラーレンMP4-19
昨年シーズンを旧型MP4-17Dで戦わざるを得なくなったこのチーム。結局MP4-18は実戦デビューすることなく、このMP4-19にスイッチした。
当然、MP4-19完成度は高い。テストでも絶好調で、ウイリアムズとの速さで下馬評を2分。
このマシンの特徴は、より細いノーズとより高いモノコックにある。2002年のジョーダンが使用したアーチ型モノコックの再来だが、このデザインはドライバーの視界を奪うことで知られており、実際ドライバーからは不評。この辺がウイークポイントか?
サイドポンツーンなどはマクラーレンらしい直線的デザインだが、最小のV10と言われるメルセデスーイルモアエンジンのおかげでリアの絞込みは鋭い。
フロントウイングとリアウイングのエレメントのデザインは最も繊細な形状で、他チームよりも1日の長がある。テスト量から考えてもこのチームに死角はない。序盤のダッシュが決まればそのまま行ってしまうか?不安はドライバーを苦しめるモノコックにある。

ライコネンはもはやベテランのようなしぶとさも見せ、チャンプ候補の筆頭。クルサードはライコネンのサポート役に徹することが出来るのか?
2005年のモントーヤ加入が凶とでなければよいが・・。

CルノーR24
エンジンのバンク角を変更し90度Vとなった今年のマシン。エンジン変更があったのに、根性でリアを絞り込んで低重心にしてきた。リアカウル上面のエアボックス後端を延ばすのがトレンド?(ウイリアムズもそうなっていた)フロントはR23そのまま のイメージ。リアウイングのエレメント構成は他チームとは異なるアプローチで、小型の補助翼がついている独特の形状。
フロントがマクラーレンでリアがフェラーリといった感じの車になっている。
但し、R23に見られたスリムさがちょっと失われてしまい、全体にぼてっとした印象。
ゲイリーアンダーソンがトヨタに引き抜かれたのが痛い。

ドライバーのアロンソは昨年の成長筆頭株!エンジンの信頼性と空力の熟成次第ではチャンプ争いの可能性もある。コンセプトを根元から変えてきたこのマシンの速さは未知数。

DBAR
006は2月1日に発表された。ハイブリッドマシンでのタイヤテストでも好感触のBARであるが、レース距離でのエンジン信頼性が心配されている。
新車006はなんとなくルノーR24に似ている。フロントのスリムなノーズと3次曲面のウイング、サイドポンツーンの造形はそっくり。フロントウイングの面積が大きいのはこのマシンの特徴。
エンジン全高はかなり低そうで、カウルのふくらみが小さい。
エアアウトレットをサイドポンツーン後端に大きく開けており、この辺はフェラーリF2003に似ている。
但し、[可もなく不可もない]造形はジャガー的でもあり、期待は薄いか?

今年からタイヤをミシュランにスイッチしたため、 結果を残すにはタイヤマッチングのベストをいかに引き出すかにかかっている。
ホンダエンジンはテストでの速さを見せており、スピード的にはトップと遜色ない。問題はテスト中にまだまだエンジンが壊れる点。信頼性が鍵。

EトヨタTF104
デザイン自体はオーソドックス。但し随所にアイデアが見られ、[やる気]をうかがわせるデザイン。
特にフロントサスの付け根部分にバージボードのアームがあったり、上方排気のエンド部分が非常に高いところにあったり。こういう車が実は速いのである。
昨年型ウイリアムズFW25のフロント処理とフェラーリF2003のリアエンド処理を組み合わせ、そこにトヨタ独自のアイデアが組み込まれているようなマシン。
ドライバーは「ダ・マッタ」に期待。[パニス]の仕上げた車で彼が乗ることになるわけで、昨年以上の期待が持てる。少なくとも高速コースでの安定感は昨年の後半戦からぴか一であった。台風の目か?

キープコンセプトと言いながら、マシンの造形がそれほど変わらないというのが逆に怖い。
市販車のトヨタを見てもいえることであるが、このメーカーは[改善]の達人であり、熟成を進めたマシンに2年連続のドライバーが乗る。期待できる。心配はパニスの体力だけか?

FザウバーC23
ついに例のWキールフロントサスをやめてしまったザウバー。
気流制御では革新的コンセプトであったが、後発のマクラーレンにお株を奪われてしまった。
フェラーリの今年型エンジンを載せ、ギアボックスは超小型の昨年型を使用。要は昨年型フェラーリF2003GAのコピーをやってきたと言うかんじ。
非常に絞り込めたリアエンドだが、カウルとウイングの距離が遠すぎるため、これではうまく気流を生かせないと思う。 これは今年のレギュレーション変更に対応したものと思われる。
サイドポンツーン高さとリアエンドの絞込みはホントにフェラーリF2003そっくり。但しフロントノーズのデザインに繊細さを欠き、アンバランスさは否めない。

フェラーリとのコラボレーションをさらに進めてゆくというこのチーム。完全にF2003を真似してきた。
この選択が吉と出るか凶と出るかは、昨年フェラーリテストドライバーを経験したF・マッサにかかっている。

GジャガーR5
可もなく不可もないデザイン。フロントのダウンフォースをフロントウイングだけで稼いでいるのは見えみえか?
いつもながらオーソドックスで、革新的な部分は何もない。サイドポンツーンは高く、大きく。確かにフェラーリ風にリアエンドを絞ってきたが、気流制御の考え方が欠けているとしか思えない・・・。
ドライバーのウエーバーは現在乗りに乗っている若手。彼の腕でもぎ取った昨年のポイントが霞まなければ良いが・・・。トラクションコントロールかかりっぱなしのあのドライビングスタイルは、考えようによっては「単純にリアのメカニカルグリップ不足」だという話もある。


このチームの場合、予算が全然ない。従ってセカンドドライバーにC・クリエンという新人を起用。RedBullのスポンサーマネーがよほど欲しかったらしい。
目標が・・・なんとコンストラクターズ5位!控えめである。

Hジョーダン
EJ14はまだ未発表。本山哲が乗るという話もいまだに残っているが・・・・。

Iミナルディー
当然ではあるが・・・いまだに新車は未発表。但し、資金難を克服したといういつものようなコメントは健在・・・。

と言うわけで 新車未発表状態のチームもあるが、現時点で総括すると、
・エンジンの信頼性が鍵
・速さはマクラーレンだが居住性による問題が残る
・本命はウィリアムズ?高速サーキットでのフロントダウンフォースが鍵
・トヨタがセカンドグループを抜け出す可能性大
・ルノーの速さは未知数だが、速かったとしたら台風の目
としておこう。
注目の開幕戦は3月5日、オーストラリアで迎える。

ということで開幕戦オーストラリアを見た印象。
ロウンチコントロールとフルオートマチックの禁止はさほど影響を与えていない。
むしろリアのダウンフォースが少なくなるどころか多くなってしまった感がある。
フェラーリの2台が予選を上回る別格タイムで疾走したが、これは昨年型F2003GAで指摘されていたリアのナーバスさを完全に解消してきた結果であろう。
マクラーレンの不振は深刻。2ストップのクルサードはタイムでも戦略でも完全においてゆかれている。
BARの予選の速さは際立ったが、決勝ではタイヤのタレに悩まされた。ミシュランを使いこなしているのはウイリアムズの2台とアロンソか?
アロンソはもはや完熟の域にあり、低重心型ルノーのコンセプトは健在。低速コースのモナコやハンガリーでの活躍が見込める。
トヨタは未知数。今回はトラブルに悩まされ、実力発揮せず。
ウイリアムズも未知数であるが、ターゲットタイムを昨年の予選並みにおいているとしたら、フェラーリの独走を許しそう。今年の決勝ターゲットは昨年の予選マイナス1秒くらいである。
 

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