Team SPIRITS HomePage
人生とは年輪と人は言う
そしてその年輪はパートナーと共に築くものであると僕たちは思う
Team SPIRITSは人、モノ、コトを大事にする人の集まりだと歳月が語っている

□◆□◆ブラッディー講座 特別編□◆□◆

F-1Grand Prix2009 Pre View

1、レギュレーション
今年は大きな変革の年。まさに2008年とは別物のマシンが出来上がるレギュレーション改正があった。
では、大きな変更点を列挙してみよう。

<テクニカルレギュレーション>
@スリックタイヤの復活
1998年に禁止されたスリックタイヤが復活となる。これは後述するダウンフォース削減の影響がスピードに現れるのを防ぐ目的がある。
2種類のコンパウンドを使用しなければならないのは昨年と同じ。ソフトとハードの見分け方はまだ発表されていない。

AKERSシステム
運動エネルギー回生システムKERS(Kinetic Energy Recovery System)が許可される。[許可]という言葉が示すように、搭載するかしないかはチームの判断となる。
このシステムは、走行中の運動エネルギーを何らかの形で蓄積し、そのエネルギーを毎周400KJまで使用してパワーを増幅することが出来るというもの。多くのチームがバッテリーを蓄エネルギー源としたモーターによるブーストを採用すると思われる。
このシステムを使用すると、1周につき約6秒のパワー増幅が可能となり、オーバーテイク時に有効と思われるが、その分重量もかさむしシステムは複雑になる。果たして信頼性は?

Bダウンフォース削減
もっとも[マシンの見た目]に影響するのはこの改正だろう。
フロントウイングとリアウイングの間の空力的付加物は禁止となり、ウイングレット、チムニーダクト、バージボードは禁止される。
フロントウイングは2枚翼で走行中1周につき2回までのフラップ角度変更が可能となる。この操作をコクピットからドライバーが行うこととなる。
リアウイングは横幅が750mmに規制され、高さが150mm上げられる。それによって[チョロQ]のような寸づまりの造形とならざるを得ず、なんともかっこ悪い

Cエンジン
エンジンは今年から1基を3レース使用することとなる。さらにエンジン回転数は18000回転に制限される。

<スポーティングレギュレーション>
@テスト禁止
開幕戦の3週間前からシーズン終了までのテストは、空力確認のための直線路によるテストのみに制限される

Aセーフティーカールール変更
2008年のルールは不評であったのと、混乱を招くことから廃止され、2006年当時のルールに戻される

以上の大幅なレギュレーション変更によって予想は完全に白紙に戻った。但し、こういう変革の年ほど資金面やチーム力に勝るチームが強いといわれている。

ドライバーラインナップは 変更はほとんどな い。引退したデビッド・クルサード、エントリーをしているが参加するかわからないホンダレーシングの2名がラインナップから外れているだけ。そのためクルサードの代わりにトロロッソから移籍のベッテル。そしてベッテルの後任に新人のブエミが起用されただけで、こんなにドライバーが代わらないシーズンも珍しい。
フォースインディアがマクラーレン・メルセデスの第2チームとなり、ホンダが撤退したのが大きなニュース。
とにかくマシンが大変革しているので、予想は全くつかないが、自分なりに解説してみることとしよう。

2、マシン

@マクラーレンMP4-24・メルセデス
昨年間違いなく最速のマシンであったマクラーレンMP4-23。
若き二人に託された最速のマシンは、速いながらも様々な障害に泣かされたといえる。ハミルトンにもうちょっとクレバーさがあればもっと早くチャンピオンを決めていたであろう。驚きだったのは若い二人ながらマシンセッティングでの迷走が全くなかったこと。やはり伝統のチームは強固なチームワークでチャンプをもぎ取った!
さて、MP4-24は レギュレーションによって[不細工]になってしまったマシンの中でも最も美しいフォルムを持っている。ウイングやボディーワークの造形にそつがなく、最も美しい。
特にフロントウイング周りのステー形状やノーズ形状などは繊細さが光る。空力的負荷物がない分、スッキリしたボディーワークはいかにもリアに綺麗な気流が流れそう。
フロントフラップ形状も良く工夫されており、可変した場合のタイヤへの気流影響が少なそうである。
リアウイングとボディカウルの関係も絶妙で、高くなったウイングを生かして逆にリアカウルを高めに設定しているように見える。
マシンにはもちろんKERSを搭載しており、その信頼性もまずまずのようである
McLaren MP4-23
ドライバーは昨年のワールドチャンピオン、ルイス・ハミルトンと、ヘイキ・コバライネン。2年連続のGP2時代同期生コンビは隙がない。セッティング能力も昨シーズンで実証済みであり、死角が見当たらない。
唯一の心配があるとすれば、KERSか?新システムに頼るあまり、ポイントを失う結果とならなければ良いが・・・・

AフェラーリF60
はっきり言って今年のフェラーリは心配である。
2008年 は間違いなくマクラーレンと双璧の最速マシンとして君臨したF2008だったが、つまらないチームのミスが重なってタイトルを逃した。コンストラクターズチャンピオンを獲得したとはいえ、マシン性能からすれば全くふがいない。
起死回生を掛ける今年、フェラーリ60周年を記念してマシン名はF60となった。意気込みは素晴らしいのだが、マシンは正直言って[雑]な作りが目立つ。
まず、フロント。ノーズステーとノーズ先端の形状はかなり流入空気を考えてのことだろうが、あんなにハイノーズにする意味がわからない。2枚目のフラップは可動するようになっているが、可動面積を稼ぎたいのか?やたらと翼面積が広い。これではばたついてしまいそうだ。さらに先端の2段ウイングもせっかくの可変ウイングの気流を乱しそうだ。
ミラーの取り付けステーをバージボード代わりにしたり、リアウイングとリアカウルの位置関係もしっくり来ないなど、本当に[妥協したの?]と思える点が多すぎるのだ。
KERSシステムもまともに動いていないらしく、テストでのマッサのタイムは昨年の4秒落ち!?という話もある。
失われた空力をどう確保するか?スリックタイヤを生かしたサスペンション剛性の確保、メカニカルグリップの確保が鍵だろう。
Ferrari F2008
ドライバーは二人とも残留。3年連続の同じメンバーとなる。ライコネン 、マッサともにドライバー能力は折り紙つき。特にライコネンの安定性とマッサの速さが融合している。特に昨年シーズン終盤で見せたマッサの安定性は見事。
昨年に続き、このドライバーラインナップは全チーム中ぴか一だろう。

BBMWザウバーF1 09
昨年後半はやや失速してしまったが、前半戦を大いに沸かせたBMWザウバー。但し、昨年のマシンは最終的にやたらと[ハリネズミ]みたいなマシンになってしまった。
空力的付加物が大幅制限された今年はうって変わって大人し目のマシンに変貌。あっさりしすぎて全くつまらない。まるでフォーミュラーニッポンのマシンのようだ。
フロントには3枚翼を使ってきたが、可変ウイングが許可されているのになんで3枚翼なの?と思わず聞いてしまいそう。ノーズ形状もあまり工夫は見られず、サイドポンツーンやリアカウルの造形は10年前に戻ってしまった感じ。もちろんリアウイングも一番不恰好である。
よってあまりコメントは出来ないのだが、唯一目を引いたのがサスペンションアーム類。他チームに比べてやたら太いのだ。スリックタイヤになったときの大きなヨーやGを吸収するためのものと思われ、このメカニカルグリップのセッティングがはまれば、いきなりフロントランナーになる可能性もある。要は[空力を捨ててメカニカルに注力した]ように思われる
BMW SAUBER F1 09

ドライバーは3年連続となるロバート・クビサとハイドフェルド。クビサは昨年優勝も果たして上昇ムード満点。ハイドフェルドは今年が正念場だろう。

CルノーR29

さすが!と賞賛された昨年のシンガポールGPと日本GP。F1はドライバーの勝負と言うことをまざまざと見せ付けたのがアロンソの快走だった。
そしてそのアロンソがルノーに残留して再び作り上げたのがこのR29.期待していたのだが・・・・
実に醜い!!!発表されたマシンの中では愚作中の愚作!
ただ、他のチームと全く異なるアプローチをしているので、これが吉と出るか凶と出るかは開幕してみないとわからない。
フロントウイングはとってつけたような可変ウイングだし、ノーズはまるでベネトンB184のよう。今のトレンドになるのかね?
サイドポンツーンの上側が大きく丸い形状になっているのが特徴で、少しでもリアウイングへの乱流影響を防ごうと言う努力が見られるが、今までのトレンドとは完全に逆だ。(昨年まではアップスイープを求める傾向にあった)
まあ、この醜いマシンも速ければ文句はない。私としては疑問が残るところばかりなのだが、レギュレーションが10年前に戻ったのだからボディーワークが戻るのも判るのだが・・・・
Renault R29
ドライバーは2005年、2006年チャンピオンのフェルナンド・アロンソと、ネルソン・ピケJr。昨年と同じ顔ぶれ。
アロンソ は昨年2勝を上げ、ピケも一時期トップを走行する経験を持つなど、実力を挙げてきている。アロンソがセッティングすれば、この醜いマシンも早さを発揮すると期待しよう!

DトヨタTF109
昨年のトヨタワークスは期待充分の活躍を見せたといえるだろう。特に後半戦のグロックの活躍は記憶に新しい。不況で赤字転落とはいえ、潤沢な資金は健在だろう。
しかし・・・今年のマシンはいかがなものか?極端なショートノーズに意味があるとは思えないし、ステーの造形も雑。これはお得意の[マシン発表はバージョン0.9]という毎年お決まりのパターンか?
気になったのはフロントサスペンションアッパーアームの高さ。やたら低いのだ。プッシュロッドでタイヤを押さえつける角度を押さえて、タイヤの接地面積向上を図っているのだろうか?
リアの造形は比較的安定して見える。ポンツーン上部とカウル形状を絞り込んで、狭いリアウイングに導いている。重心を中央に集めているからこそ出来ると思われる造形だ。
そしてこのチーム最大の武器はKERSではないかと思われる。
開幕戦非搭載を宣言しているが、プリウス以来市販車で拡大ラインナップしているハイブリッド技術を応用しないわけはない。つまり、開幕戦で様子を見て中盤戦で一気にKERSを搭載し、優勝争いに加わるという可能性もある。
TOYOTA TF109

ドライバーは昨年と同じくヤルノ・トゥルーリとティモ・グロック。 二人とも安定性は抜群ながら、マシンのフューエルエフェクトやタイヤ磨耗時のバランスに泣いた昨年、長距離を安定して早く走れるマシンを手にしたときは優勝戦線に躍り出るだろう。

E
トロロッソSTR4・フェラーリ
昨年、セバスチャン・ベッテルが史上最年少初優勝記録を塗り替えたトロロッソ。シーズン後半の台風の目であったことは間違いない。レッドブルRB4をベースにした昨年型マシンは安定感と速さを兼ね備えたプライベーターの星だった。
但し、 相変わらず今年もマシンはギリギリまで発表しないと言う状態であり、実力は未知数。もちろん、レッドブルRB5に極似した マシンとなるではあろうが、チーム独自のモデファイを期待したいところだ。
昨年と同じような[いい仕事]をすれば、必ず幸運の女神はやってくるはず。
ドライバーラインナップは最後まで佐藤琢磨の名前が上がっていたが、結局セバスチャン・ブルデとセバスチャン・ ブエミに決まった。昨年もセバスチャン・ベッテルを起用しており、よほど[セバスチャン]と言う名前が好きらしい(笑)
ブルデは昨年ベッテルの後塵を拝することが多かったし、新人ブエミの実力は未知数。ベッテルがいなくても速さを保つことが出来るのか?

FレッドブルRB5・ルノー
昨年、ジュニアチームのトロロッソに優勝をさらわれ、コンストラクターズで後塵を拝したレッドブルだが、もともとエイドリアン・ニューウエイ作のRB4の速さは折り紙つき 。トロロッソの優勝もRB4ベースのSTR3でもぎ取ったもの。やはりニューウェイは偉大だということが証明された。
現時点でマシンの発表は行っておらず、造形も実力も未知数。おそらく昨年のトレンドを引きずって登場することとなるだろう。
但し、ニューウェイといえども空力付加物がこれだけ制限されてしまうと、空力の天才も実力発揮するところが限られてしまう。名車ウィリアムズFW14Bを設計した際のサスペンションレイアウトなどのノウハウが生きるのか?
ドライバーはデビッド・クルサードが引退し、若き優勝経験者ベッテルが加入。ベテランのマーク・ウエーバーと組む。 ここでベッテルの後塵を拝するようならばウェーバーの来シーズンはないだろう。
ベテランウェーバーのセッティング能力、ニューウェイのニューマシン、ベッテルの速さがあれば、優勝を狙うことも可能かもしれない

GウイリアムズFW31・ トヨタ
時折光る速さを見せた昨年のFW30だったが、終わってみればコンストラクターズ8位に甘んじた。やはり中盤以降で速さが失われてきたのが原因だが、なんと言っても得意なサーキットと不得意なサーキットで好不調が激しかったのが痛かった。
但し、得意なサーキットで速さを見せるという作戦もプライベーターとしては必要で、そういう意味では闘将フランク・ウイリアムズの考えが遺憾なく発揮されているとも言える。
また、ロズベルグの安定した速さも中嶋の一発の速さも光っており、元気な若いチームに変貌したといえる。
新型マシンのFW31はノーズ形状が「カスプ型]になった。これは鳥のくちばしの形状に似ており、新幹線の700系のようだ。
フロントウイング形状も後退角のついた独特なもので、かなり失われたダウンフォースの獲得に苦心しているようだ。サスペンションマウントもサイドポンツーンもオーソドックスだし、リアカウル造形もかなり普通。従ってマクラーレンに次いでマシンバランスがよく、かっこいい。
なんと言ってもスリックタイヤを経験しているチームはマクラーレン、フェラーリとこのウィリアムズだけ(厳密に言えばルノーも)なのであるから、かつてのマシンバランス経験を生かすことも可能だろう。

Williams FW31 TOYOTA
ドライバーは昨年と同じニコ・ロズベルグと、中嶋一貴。二人とも若さも速さも充分!F1ドライバー2世チームの2年目、意気のいい走りに期待したい。
トップチームがKERSに手を焼き、スリックタイヤに慣れない中団チームがいた場合、一気に後方からこのチームが上位進出などと言う光景が見られるかもしれない。

Hホンダ・・・・・・
過去最悪のシーズンを送ったホンダ。 年々成績が悪化する中、景気の後退とともに本田技研工業がF1撤退を発表。第3期ホンダF1チャレンジはたった1勝で終了してしまうこととなった。
但し、ホンダレーシングディベロプメンツは未だにエントラント登録されており、資金を提供してチームを買収してくれる先を探している。
現時点でなんとも言えないが、新チームがエントリーしてくる可能性は10%もないだろう
これにより、ジェンソン・バトンとルーベンス・バリチェロはシートを失うこととなった。

Iフォースインディア・メルセデス
このチーム、珍しく2年連続で同じチームオーナーで戦うこのチーム。インドの豊富な資金を投入して、ついに今年はマクラーレンのジュニアチームとなることに!
従ってエンジンはメルセデスに変更され、KERSもマクラーレンから供給されることになると思われる。
ニューマシンはまだ発表されていないが、マイク・ガスコインが解雇されるなどお家騒動もまだあるので、開幕ダッシュと言うわけには行かないだろう。
ドライバーは昨年同様のジャンカルロ・フィジケラとエイドリアン・スーティル。
昨年、驚きのトップ走行などを披露した フィジケラは注目。スーティルも一昨年から時折光る速さを見せており、マクラーレン体制の下で完成されるニューマシンいかんでは 昨年のトロロッソのような活躍も期待できる。

新車未発表状態のチームは残り4チーム。トップチームが出揃った ところで予想をまとめてみよう。
・なんだかんだ言ってもマクラーレンがぴか一だろう
・フェラーリはかなりやばいかもしれない。シーズン中盤で巻き返せるかが鍵。
・アロンソを擁するルノーのマシン作りがどんぴしゃだった場合は一気にチャンピオン争いをするだろう。
・BMWザウバーとウイリアムズはおそらく中団を引っ張るはず。但し、序盤戦だけかもしれない
・トロロッソとレッドブルはマシン完成度によっては一気に台頭する。
・トヨタが化けるかどうかは中盤投入のKERS次第

注目の開幕戦は3月29日オーストラリアで迎える。今年は17戦と1戦減少した。
ドイツGPがニュルブルクリンクになり、日本GPが鈴鹿になったのは交互開催の影響。中国GPは序盤の第3戦に変更となった。
昨年から開催されるようになったバレンシアでのヨーロッパGPとシンガポールGPは今年も継続。
なんとカナダGPとフランスGPがカレンダーから脱落!特に毎年レース展開の読めない楽しさがあったカナダの脱落は残念。
代わりに新規開催国としてアブダビGPが最終戦に組まれている

「ブラッディー」の予想であるが、序盤はマクラーレンとザウバーが上位、中団にフェラーリとルノー、ウイリアムズ。
中盤からトロロッソとレッドブル、トヨタが台頭し、ザウバー、ウイリアムズが後退。トップグループは最終的にマクラーレン、フェラーリ、ルノーの三つ巴となりそうだ。フォースインディアは 未知数か?
とにかくKERSとスリックタイヤが全てを握る今年のF1.実はドライバーが操作するフロントウイングが落とし穴だったりする場合もある。

back

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送