Team SPIRITS HomePage
人生とは年輪と人は言う
そしてその年輪はパートナーと共に築くものであると僕たちは思う
Team SPIRITSは人、モノ、コトを大事にする人の集まりだと歳月が語っている

□◆□◆ブラッディー講座 特別編□◆□◆

F-1Grand Prix2018 Pre View

1、レギュレーション
2017年に大幅な車体レギュレーション変更があった関係で、2018年はほぼ昨年のレギュレーションが踏襲される。
大きく変わるのは[Halo]と言われるドライバーの頭部保護デバイスが義務付けられること。これによってコクピット周りの造形は大幅に変わる。
また昨年復活して話題となったシャークフィンと、Tウィングが禁止される。これは車体の美観が損なわれるという理由。まあ美しくないF1はちょっとね・・・
大きく変わるのはタイヤ。ピレリのワンメイクは変わりないものの、新たにハイパーソフトとスーパーハードとと言う2種類のコンパウンドが追加になり、前コンパウンドが昨年よりも柔らかめになる。これによって昨年多くみられたワンストップ作戦が難しくなる。
スポーティングレギュレーションにも大きな変更はなく、2017年当初にセイフティーカー後のリスタートがスタンディングになるはずだったのが中止されたため、実質は2016年 後半のレギュレーションが踏襲される。

<テクニカルレギュレーション>
@Halo
2016年から検討が進められてきた[Halo]が正式に採用となった。
[Halo]は2014年鈴鹿でのビアンキの事故をきっかけに、ドライバーの頭部を保護するデバイスとして開発されたもので、コクピット周囲に3点支持されたパイプ状の保護バーで構成されている。
ドライバーの目の前に棒が立つことになるが、ドライバーの話では視界にあまり影響はないらしい。
また、このバーを空力的な形状にするなどの手法も考えられるので、チームごとの形状には要注目となる。

Aシャークフィン
リアウィングが低くなったことで復活したシャークフィンは美観の関係で禁止となる。

BTウィング
同じくリアウィングが低くなったことで全チームが採用したTウィングは美観の関係で禁止となる。
ただ、この部分にダウンフォースが欲しくなるのは各チームとも同じなので、これを補う何らかのデバイスを開発してくることだろう
トレンドとしてはレギュレーションの隙間を縫ってギアボックス周辺にウィングを配置する「ギアボックスウィング」が主流になるのではないかと予想されている。

Cタイヤ
前述のとおりハイパーソフトとスーパーハードとと言う2種類のコンパウンドが追加になる。これでドライタイヤ種類は7種類になる。 ドライタイヤの名称と側面の色は柔らかい順に以下のようになる。
ハイパーソフト:ピンク
ウルトラソフト:パープル
スーパーソフト:レッド
ソフト:イエロー
ミディアム:ホワイト
ハード:アイスブルー
ウルトラハード:オレンジ
またインターミディエイトタイヤも新設計のモノとなるため、雨のレースでのタイヤ選択にも影響が出てきそうだ。
レースウィークで支給されるドライタイヤ種類は3種類で変わらず、予選からレース中のタイヤ義務に関しては変更はない。

<スポーティングレギュレーション>
特に大きな変更はなし

2、マシン
今年のマシンはレギュレーションがほとんど変わらなかったことで、ほぼキープコンセプトと言う状況が予想された。
重要なのは昨年の弱点をいかに克服し、レギュレーションの穴をついて来れるか?ということになるだろう。
このところトレンドとなっている細いノーズとロングホイールベースの傾向はあまり変わらないと思うが、マシン各部に増設される空力デバイスに注目してみたい。

@メルセデスAMG F1-W09
No.44ルイス・ハミルトン
No.77バルテリ・ボッタス

4年連続で「クラスの違う速さ」を見せつけたメルセデス。 昨年は車体レギュレーションの大幅変更で序盤はフェラーリの後塵を拝する場面もあったが、シーズン中のアップデートにより確実に速さを磨いてきた。もはやこのチームに死角は全く感じられない。
ずっと「コンサバなマシン」 で確実にチャンピオンを獲得してきたメルセデスだが、 今年は珍しく「攻めた」デザインを採用してきた。何よりも特徴的なのはサイドポンツーン後端の絞り込み。ここまで絞っても冷却系に影響はないのだろうか?この絞込みは間違いなく今年のトレンドとなりそうなギアボックスウィングへの気流制御が目的と思われる。
また昨シーズン途中から採用された絞り込みノーズは今年も健在。さらに上面にエッジをつける独特な造形をトライしている。ボディ周囲の気流をHaloへの影響が最小になるように制御したいのかもしれない。
フロントサスペンションもロアアームが「ハの字」でアッパーアームが水平と言う面白い形をしている。接地力はプッシュロッドで稼ぎ、ピッチング対策はアッパーアームで吸収する試みだろうか?
ミラー周囲の空力デバイスも他チームより複雑で、昨年型のフェラーリのような処理が特徴。
つまり、この「攻め」が当たったら今年もぶっちぎりとなってしまいそうだ。しかし「外れ」だった場合は一気に中段に埋もれる危険性もある。まあ見る側としてはそろそろ「遅いメルセデス」も見たい気はする。
MercedesAMG F1-W09
ドライバーはもはや円熟の極みと言える4度のワールドチャンピオンを獲得したルイス・ハミルトンと、移籍2年目となるバルテリ・ボッタス。
ハミルトンには全く死角が感じられず、マシンの性能が落ちない限り、今年もチャンピオンの最有力候補だろう。
ボッタスはいよいよ今年が正念場 。昨年は初優勝も決め、シーズン後半はハミルトンをしのぐ速さも見せていることから、実際にハミルトンが最も警戒すべきライバルは、このチームメイトとなるはずだ。
そうなった場合同士討ちなどの醜い争いがハミルトンによってもたらされる可能性もなくはない。それがライバルチームの唯一のつけ入る隙ではないだろうか。

AフェラーリSF71h
No.5セバスチャン・ベッテル、No.7キミ・ライコネン

昨年は シーズン前から攻め込んだマシンでの躍進が期待されたフェラーリ。実際にシーズン序盤はメルセデスを上回るパフォーマンスを発揮し、2007年以来のドライバーズチャンピオンを決めるかのように思われた。しかしチームのつまらないミスや、ベッテルの大人げない行為によって自滅したシーズンであったと言える。
ただ、昨年トライしたマシンの方向性は間違ってはいないということを証明したシーズンであったことは間違いなく、このことは多くの他のチームが「フェラーリ風」のサイドポンツーンを今年採用してきたことからもわかる。
つまり今年もマシンは「成功作」と言えた昨年型を踏襲し、細部をリファインするマイナーチェンジにとどまると思われた・・・が!なんとホイールベースを延長するという攻めの姿勢を出してきた。これは今年のタイヤが柔らかめにシフトすることと、昨年型がタイヤに優しい車であったことを受けての変更だろう。
シャークフィンは禁止になったが、レギュレーションギリギリまでフィンを残した関係でエアボックス形状がわかりにくいが、ルノーやメルセデスに比較するとかなり大きく見える。同じエンジンを搭載するザウバーのような複雑なインテーク形状にはなっていないが、インテーク後端がかなり長いことから、エアボックス内では複雑な形状になっているのかもしれない。これがエンジンのパフォーマンス 向上にどれだけ貢献するのか?注目してみたい。噂ではついに1000馬力を突破したと言われる1.6リッターV6ターボがメルセデスに匹敵する速さを発揮するか?が重要なカギとなる。
とにかく時代のトレンドセッターとなった昨年型をしのいでくることは間違いないと思われ、「今年こそ!」クレバーなチャンピオン争いを展開して欲しいものだ。
なお、サンタンゲール銀行がスポンサーから降りたので、ようやくあの「うんこまーく」が消えたのも私としては嬉しい。
Ferrari SF71h
ドライバーはコンビを組んで4年目となるキミ・ライコネンと、セバスチャン・ベッテル。
ライコネンは間違いなく今年を最後に引退する だろう。しかしチームNo.1扱いはベッテルであり、チャンプ狙いをするためには序盤でベッテルに大きく差をつける必要がある。
ベッテルはチャンピオンを狙えるはずだった昨年、自らの軽率なドライビングにより中盤から失速。勝てるレースを自滅したシンガポールGPに様なことをしていては5回目のチャンプには程遠い。いずれにしてもクレバーな走りに徹して欲しいものだ。
昨年復活の兆しを見せたフェラーリなので、今年は間違いなくメルセデスを終盤まで苦しめる存在となるだろう。

Bアストンマーチン・レッドブルRB14
No.3ダニエル・リカルド、No.33マックス・フェルスタッペン

一昨年後半の快進撃が一気に覚めてしまったかのようなレッドブル 。どう見てもメルセデスとフェラーリの次、3番目はおろか序盤はフォースインディアに後ろを脅かされるような場面も見られた。
しかしルノーエンジンの復活 の兆しがみられるなどの明るい材料があったのも事実。後半は失速したフェラーリを脅かす存在に成長し、ようやく目覚めたが時すでに遅しの感があった。
さて、今年はエンジンネームがアストンマーチンとなった関係で、チーム名が「アストンマーチン・レッドブル」となった。
発表されたニューマシンは基本的に昨年型の正常進化版だが、サイドポンツーン後端が極端に絞られてフェラーリに近い形状となったのが特徴。リアトラクション空力の性能改善が目的と思われる。
ノーズからコクピットにかけての形状は最近のトレンド通りと言えるが、フロントサスアッパーアーム前端部は他チームよりも明らかに高い。
逆にエアボックス形状はコンサバなスタイルで明らかにウィリアムズよりも大きい。良く言えばオーソドックスで悪く言えば雑?
ノーズはさらに平たく細長くなったが、これはメルセデス風ともいえる。先端に見えるエアインテークはフォースインディア風の効果を狙っているのだろうか?プッシュロッド付け根から一気にドロップダウンされるノーズの形状は今までのレッドブルのトレンド通り。
Aston-Martin Red-Bull RB14

ドライバーは一昨年からコンビを組む2人、ダニエル・リカルドと マックス・フェルスタッペン。
昨年もフェルスタッペンの痛快な走りは健在だし、リカルドの安定した走りは、速さがない中でもアゼルバイジャンでの勝利を呼び込んだ。
何はともあれこのチームがかき回してくれないとシーズンはつまらない。第3のチームを脱出してトップ2チームにいつも食い込む姿が見てみたい。
ワークスルノーも復活の兆しが見える今、今年こそはこのチームに台風の目となってほしい。

CフォースインディアVJM11・メルセデス
No.11セルジオ・ペレス、No.31エステバン・オコン


一昨年からフォースインディアはトップ3に続く4番目の速さを確実に身に着け、2017年は時折レッドブルをも脅かすチームへと成長した。
安定して早いメルセデスエンジンを武器に、ウイリアムズほど攻め込まないオーソドックスなマシン作りが堅実な結果を生んでいる。
その代り・・・これ以上の躍進が見られないというのも正直なところで、さらに上に行くには何らかの攻めたデザインが必要となるだろう。
さて、全チームの最後に発表されたVJM11は、昨年のフォースインディアの正常進化形といえるマシン。このチームの特徴である鼻孔ノーズと段差付モノコックノーズは やはり踏襲された。
鼻穴ノーズの効果はよくわからないが、段差モノコックのほうは明らかにフロントプッシュロッドの位置を高くしたいため。これはレッドブルと同じアプローチになる。サイドぽんつーんは昨年型フェラーリ流で吸気口周辺もかなりフェラーリっぽいが、ポンツーン後端造形はザウバーっぽいともいえる。またカラーリングの関係でよく形が分かる排気管周辺がかなり特徴的で、ターボ排気とエンジン排気が左右独立4本出しになっているのが分かる。ギアボックス周辺がシンプルなのは、ここに何らかの空力デバイスを付加するからだろうか?
大化けはしないが堅実に4番目を狙ったデザインともいえ、そういう意味ではとてもつまらない。もっと上を狙うには「さらに攻めた何か」が必要だろう。
Force India VJM11 Mercedes
ドライバーラインナップは昨年と同じく5年目を迎えるペレスと2年目のオコン。
ただ、この二人は「荒い運転」が特徴で、昨年は同士討ちも多かった。こんなことを繰り返していてはチームの成長は見込めない。
特にオコンは既に実力でペレスを上回っているのは間違いなく、Q3常連となっている今、レースでのクレバーさが求められるだろう。
ペレスは今のようなラフなドライビングが続く場合は、来シーズンのシートがないかもしれない。

DウィリアムズFW41・ メルセデス
No.18ランス・ストロール、No.35セルゲイ・シロトキン

このところコンストラクターズ5位が定番となってしまったウィリアムズ。新人ストロールが3位表彰台を獲得したアゼルバイジャンは、正直上位陣の自滅がきっかけとなった「棚ボタ」なので、実力的にはQ3に行けるかいけないか?と言うところが妥当だったと考えるべき。
では2018年マシンは?というと、まあレギュレーションがほとんど変わらないのでももちろんキープコンセプト。正直ハースのマシンの色違い?と言うくらい似ている。
但しサイドポンツーンはトレンド通り上面絞込みのダウンスィープ型で、これならばTウィングの代わりに採用されそうだと言われるギアボックスウィングも取り付けやすそうだ。
気になったのは新規追加のhaloの色。白くしちゃっているけど反射してしまわないのかな?
昨年はマシン発表の先陣を切ったこのチームだったが、今年はハースに先を越されて2番目の発表となった。
ちょっと気になるのはエアボックスの低さと小ささ。メルセデスエンジン搭載車は、横方向楕円形状のインテークを用いることが多いが、このウィリアムズは極端に低いように見える。そしてエアボックスそのものが極端に小さく、その後ろに禁止されたシャークフィンのごとく残った垂直フィンが立っている。Tウィング禁止とシャークフィン禁止の影響を少しでも取り戻そうという悪あがきなのか?はたまたエンジンエアボックス最小化に伴う新しい空力トレンドなのか?
フロントサスのプッシュロッド付け根の高さは昨年型がかなり低かったのに対して、 今回のマシンは他チームと同じく高く持ってきた。これは昨年型のディメンジョンが失敗したという反省だろう。
Williams FW41 Mercedes

ドライバーはマッサ引退に伴ってロシア人の新人シロトキンが起用された。シロトキンは2016GP2の3位と言う成績が目立つくらいで、元々は2017年のルノーF1テストドライバー。正直実力は疑問と言わざるを得ない。周囲からは「ロシアマネーのペイドライバー」と言われているが・・・
ストロールはデビュー年の昨年、1回表彰台に乗ったとはいえ、まだまだ2年目。マシンセットアップや安定性は望めないだろう。
ということで「若さゆえの爆発」に期待するしかないラインナップと言える。

EルノーR.S.18
No.27ニコ・ヒュルケンベルグNo.55カルロス・サインツJr

昨年はダークホースと予想したルノーワークス。 ヒュルケンベルグの加入とワークス体制の整備は確実にこのチームを強くした。結果的にコンストラクターズチャンピオンシップでは6位に躍進。シーズン後半でのサインツの加入でさらにパフォーマンスは向上した。
さて、今年のマシンも昨年同様手堅くまとめてきた感じ。各チームのいいところを集約したマシンと言っても過言ではないだろう。
おそらくカラーリングを変えればどのチームと言われてもわからないくらい個性がない。しかし、レギュレーションがほとんど変わらないのだからまあ当然と言えば当然か? つまり特徴がなさ過ぎてコメントできないのが本音。
ルノーエンジンの要求なのか?エアボックスが大きめなのが特徴で、これは同じエンジンを積むレッドブルもこの傾向にある。リアカウル後部がスパッと切り取られているのは、この部分に空力デバイスを追加できるように配慮した結果かもしれない。
フロントサスペンション上下アーム間隔が狭いのはボディ下面の気流に配慮した結果だろうか?
レッドブル、マクラーレンと共にトップレベルの3チームでルノーエンジンを使用することもあって、エンジン熟成次第では躍進の気配も感じられる。
Renault R.S.18
ドライバーは昨年後半に加入したサインツと、フルシーズン2年目になるヒュルケンベルグ。ヒュルケンベルグはフォースインディア時代のいぶし銀的活躍そのままにこのチームを速く変えた功労者。不名誉な「表彰台未経験記録」を今年こそ打破したいところだろう。
サインツはトロロッソからの移籍後にいきなりアメリカGPで快走を見せ、粗削りながら実力を確実にあげている。
このチームがQ3常連になってくるようなことがあれば、上位陣もうかうかしていられないはず。

Fトロ・ロッソSTR13・ホンダ
No.10ピエール・ガスリー、No.28ブレンドン・ハートレー

昨年のトロロッソは、正直「地味な」チームとなってしまった。速いわけでもなく遅いわけでもなく、 いつの間にか完走しているというようなチームだったと言えるだろう。サインツが途中から離脱したり、クビアトが名前のようにクビになったり・・・毎年のお家騒動が定番になってしまった感がある。
そして今年、マクラーレンに見限られたホンダのワークスエンジンを獲得することとなった。まあ、ルノーのカスタマーエンジンで昨年のような影の薄い存在になるくらいならば、「一か八かの賭け」に出た方が良いだろう。
さて、今年のマシンは昨年が他チームと一線を画す攻めのデザインだったのに比べて一気にオーソドックスになった。イメージではフェラーリとウィリアムズのいいところ取りのようなマシンに見えるが、メルセデスが採用している細いノーズは採用してこなかった。
フロントサスペンションの形状はメルセデス流でロアアームが「ハの字」になっていることが特徴。これは路面ピッチング対応性を重視しての形状だろう。
最も特徴があるのはエアボックス形状。全チーム中最も大きな開口部を持ち、エアボックスそのものも巨大だ。これはホンダエンジンからのリクエストと思われるが、リアウィング周辺のエレメントが制限された今年は、リア空力に大きく影響してしまうかもしれない。
しかし何と言ってもこのチームの将来を左右するのはホンダエンジン。せめて「遅くても壊れない」ものでないとマシンの熟成もおぼつかない。信頼性向上が第1に求められることだろう。但し、ホンダエンジンの完成度によっては一気にこのチームがトップコンテ ンダーになる可能性も秘めていると言え、開幕戦パフォーマンスが重要なカギと言えるだろう。
Toro RossoSTR13 Honda
ドライバーは昨年途中から参戦しているガスリーとハートレーのコンビ。
ガスリーは2016年GP2チャンピオンで2017年スーパーフォーミュラのランキング2位。マシンへの順応性に優れたドライバーなので、実際にマシンを作り上げるのはこのガスリーが鍵となってくるはず。
ハートレーは昨年のWECポルシェワークスドライバーで、安定した走りには定評がある。但しF1ドライバーとしての速さはまだまだと言ったところか。
いずれにしても若い二人のドライバーなので、結果を気にせず思い切り走らせてあげたいところ。そのためにはホンダは信頼性の高いPUを供給することが必須となる

Gハース・フェラーリVF18
No.8ロマン・グロージャン、No.20ケビン・マグヌッセン

一昨年のデビュー当時「ハース旋風」を巻き起こしたこのチームも、昨年のレギュレーション変更にはうまく対応しきれなかったというのが本音だろう。 トップ10ははるか遠くなり、Q2落ちの常連となってしまった。ルノーの台頭とフォースインディアの安定性には全く歯が立たなかったと言っても過言ではないだろう。
さて、今年 はなんと全チーム中真っ先にニューマシンを発表したハース。気合十分!と思いきや昨年型の「キープコンセプト」だから早かったの?と思うくらい昨年型に似ている。ちなみに1日遅れでニューマシンを発表したウィリアムズのコピーのよう・・・
但しフロントサスペンションの上下アームの狭さや、プッシュロッドアームの付け根が高いあたりは独創性が見られる。
サイドポンツーンは昨年型と同じく独創性が見られ、上面絞りではなく、下端を絞り込んで ウィング形状にしてリアサスペンション手前につなげている。但し、このアプローチは昨年型が必ずしも成功したとは言えない状況なので、Tウィングの廃止と共にリア周りのダウンフォースが得られるか?が鍵になりそう。
エアボックス形状は小さ目ながら結構高さがあるのが特徴。フェラーリエンジンの必要とするエア量を確保するのが目的だろうか?
Haas VF18 Ferarri
ドライバーはグロージャンとマグヌッセンが2人とも残留。 正直昨年のグロージャンはパッとしなかった。マグヌッセンも「遅め安定」に見えてしまったのも事実。いずれにしても二人が力を発揮するには、昨年型の弱点であった回頭性を何とかしなければならないだろう。

HマクラーレンMCL33・ルノー
No.14フェルナンド・アロンソ 、No.2ストフェル・バンドーン

いつまでたっても信頼性の上がらないホンダエンジンに見切りをつけ、今年からマクラーレンはルノーのカスタマーエンジンを搭載することとなった。まあ、遅い、壊れる、ピックアップが悪いという3拍子のホンダエンジンを考えれば致し方ないだろう。
MCL33は昨年型の正常進化と言える。これはあくまでも「シャーシは一級品」と証明したいという自信の表れだろう。
ホンダエンジン時代のように全チーム中最小のエアボックス形状は上面気流を重要視している証拠。但しこのエアボックスでルノーエンジンの吸気は十分なのか?が気になるところ。
サイドポンツーンは例によって今年のトレンド通りフェラーリ流。但し他チームほどフロントインテークが大きくないのが特徴で、その分ポンツーン下面のえぐりが大きくなっている。今となっては古典的形状のアップスイープ形状だが、ちょっとこれは疑問。
昨年型の特徴だった極端に狭いフロントサス上下アームの距離は、昨年型の回頭性に関して「正解」と判断しているということだろう。
ルノーエンジンに乗せ換えた今年、マクラーレンが調子悪いということになるとホンダのせいだけとは言えない状況になってしまう。よってマクラーレンとしても今年は正念場だろう。
ただ、本当にこの古典的デザインが速いのか?ちょっと疑問符のついた状況であることは間違いない。
McLaren MCL33 Renault
ドライバーは昨年同様のフェルナンド・アロンソとストフェル・バンドーン のコンビ。バンドーンは一昨年デビュー戦でポイント獲得したことで一躍有名になったが、昨年は正直鳴かず飛ばず。アロンソも今年はトヨタWECとの掛け持ちで、本気で頑張ろうとしているのか疑問。
いずれにしてもルノーにエンジンをスイッチした今年、マシンパフォーマンス向上が期待できなければ、アロンソはそのまま引退しかねない。
結果的にトロロッソホンダと競り合うQ2争いと言うのが妥当なところだと見ているのだが・・・
良くも悪くも今シーズンの結果次第でこのチームの将来もドライバーの将来も大きく変わるだろう。

Iアルファロメオ・ザウバーC37
No.9マーカス・エリクソン、No.16シャルル・ルクレール

マノーなきあと常連のテールエンダーとなってしまったこのチーム。かつての小林可夢偉の栄光はどこへ行った!!
お金がないからいいドライバーを雇えない。お金がないから資金を持ってくるドライバーしか乗せられない・・・悪循環の縮図がここにある。
そして今年、なんとアルファロメオがタイトルスポンサーとなり、チーム名は「アルファロメオ・ザウバー」となった!これは応援せねばなるまい!
さて、発表されたニューマシンには他チームと一線を画す試みが多数みられる。
まず特徴的なのがサイドポンツーン後端の処理。他チームが絞り込んでいるのに対してウィング状にフィンが伸びているのだ。このフィンの仮面と上面の気流を分けたいという考えと思われるが、これは今年トレンドとなりそうなギアボックスウィングへの気流制御に関係があると思われる。もしかしたらこれが今年のトレンドになるかもしれない。
またフェラーリのエンジンは今年から型落ちではなく最新エンジンが供給されることになり、ここにもアルファロメオがスポンサーになった影響が表れている。そのエアインテークも特徴的でなんと開口部が4分割されている。これは吸気とターボ吸気を分けることで何らかのエアボックス気流制御をしていると思われる。
半面フロントセクションには目新しいところがない。モノコック高さが高い割にプッシュロッド付け根はあまり高くないし、レッドブルのような攻めは見られない。ノーズ先端にフォースインディア風のインレットがあるのが特徴と言えば特徴か。
AlfaRomeo Sauber C37
ドライバーはダメなエースの典型のエリクソンと、新人のシャルル・ルクレール。
ルクレールはモナコ出身でフェラーリドライバーアカデミー の所属。2016GP3チャンプ、2017F2チャンプと言う肩書は素晴らしいものがあるが、F1実力は未知数。でもエリクソンよりは期待が持てそうなことは間違いない。
フェラーリ肝入りのエンジンとスポンサー、そしてドライバーとなった今年、せめてHAASと同レベルぐらいの位置を期待したい。
なんといっても「栄光のアルファロメオ」復活なのだから遅くても応援しよう。

フォースインディア以外の新車が全て揃い、2月26日から恒例のバルセロナテストが始まる。
26日にはフォースインディアの新車も発表されるが、今年もテスト走行をする前に予想をしてみることとしよう。
バルセロナテスト後にコメントを追加するとして、現時点での予想は次の通り。

・メルセデスはやはり安定して速いだろう。昨年型を確実に進化させて来る可能性が高い。
・メルセデス対抗馬の筆頭は間違いなくフェラーリだろう。エンジンパフォーマンスの向上次第では一気に開幕からぶっちぎってしまうかも。
・レッドブルは昨年の序盤失速したが、後半戦の速さを考えると、実質メルセデスに次ぐ2番目だろう。しかしフェラーリが抜け出してしまうとかなり苦しい。
・中団での要注目はルノーとマクラーレンだろう。両チームとも今年が正念場。Q3進出争いをフォースインディアと繰り広げるだろう。
・ホンダエンジンの出来栄え次第ではトロロッソが大化けする可能性はある。
・ウィリアムズとザウバーは良くてQ2進出争いか?ただザウバーはフェラーリエンジンがワークスになることで一気に台頭する可能性もある。
・フォースインディアの躍進のカギは二人のドライバーの協調性にあるだけかも

さて、シーズン最初のバルセロナテストが終了した。4日間で最も最速を記録したのがメルセデスのハミルトン。さすがと言うべきだが、注目したいのはこのタイムがミディアムコンパウンドで出したものだということ。
2番手以降の上位陣はソフトやスーパーソフトの柔らかめのタイヤで出したタイムで、それでもハミルトンに0.5秒以上離された。これは脅威と言うべきだろう。
フェラーリやハースもかなり好調。但しメルセデスの仕上がりにはまだ追いつけずと言ったところ。
マクラーレンは順調にテストを消化し、上位にタイムを並べてきているが、最速タイムはいずれもハイパーソフトなどの予選タイヤで出したものであり、速さを語るにはちょっと時期尚早かもしれない。ただ、順調に予定周回をこなせていることは熟成が期待できるので昨年のような体たらくはないだろう。
そのマクラーレンをどん底に落としたとされるホンダだが、大きなトラブルもなくトロロッソとのパートナーシップは順調のようだ。但しトップチームからは平均して2秒遅いというのは致命的。速さはまだまだか?
ダークホースはルノー。ミディアムタイヤでメルセデスと1秒差と言うのはかなりいい線ではないだろうか?
ザウバーはまだまだといった感じ。トロロッソとテールエンダー争いから抜け出せない気がする。
ウィリアムズは予想以上にいい仕上がり。なんと3日目にクビサが乗ったのには驚いた!しかもレギュラードライバーより速いし・・・

注目の開幕戦は例年通りメルボルンで迎える。昨年同様3月最終週と言うスケジュールになった。今年は ロシアがカレンダー落ちし、フランスとドイツが復活。ドイツは恒例のホッケンハイムだが、フランスは初開催の「ラ・カステレ」となる。
昨年まで6月に開催されていたアゼルバイジャンがロシアの代わりに第4戦に組み込まれ、空いたスケジュールにフランスが組み込まれた。
ドイツは2017年カレンダーにも予備日程で組まれていたこともあり、一昨年と同じハンガリーの前に組み込まれた。。
日本GPは例年通りの10月3連休となり、観戦がしやすいスケジュールになっている!
昨年に比べて 連戦が1つ増えて5回。今年は第9戦オーストリアと第10戦イギリス、第11戦ドイツと第12戦ハンガリー、第13戦ベルギーと第14戦イタリア、第16戦マレーシアと第17戦日本、第18戦アメリカと第19戦メキシコ が連戦となっている。
例によって夏休みが第12戦ハンガリーと第13戦ベルギーの間に4週間取ってある。
開幕戦 オーストラリアGP 3月25日
第2戦 中国GP 4月8日
第3戦 バーレーンGP 4月15日
第4戦 アゼルバイジャンGP 4月29日
第5戦 スペインGP 5月13日
第6戦 モナコGP 5月27日
第7戦 カナダGP 6月10日
第8戦 フランスGP 6月24日(ラ・カステレで開催)
第9戦 オーストリアGP 7月1日
第10戦 イギリスGP 7月8日
第11戦 ドイツGP 7月22日
第12戦 ハンガリーGP 7月29日
第13戦 ベルギーGP 8月26日
第14戦 イタリアGP 9月2日
第15戦 シンガポールGP 9月16日
第16戦 マレーシアGP 9月30日
第17戦 日本GP 10月7日
第18戦 アメリカGP 10月21日
第19戦 メキシコGP 10月28日
第20戦 ブラジルGP 11月11日
最終戦 アブダビGP 11月25日

ということで 予想の総括!
テストとマシンの仕上がりを見る限りメルセデスが最も安定して早いことは間違いない。フェラーリもいい仕上がりのようだが、メルセデスに比べると0.5秒のビハインドがありそう。マクラーレンとレッドブルがタイムの上では拮抗して続いているが、マクラーレンは予選タイムでレッドブルは決勝タイムと見た方がいい。つまりは今年も3強と言う状態。
4番目を争うのがルノーワークスとマクラーレン、ウィリアムズになりそう。もしかするとハースもここに加わるかもしれない。つまりQ3進出争いは0.1秒を争う(もしかすると100分の1秒を争う)と言う熾烈さになるかもしれない。
ザウバーとトロロッソはテールエンダー争いから抜け出せそうにない。トップから2秒落ちがせいぜいと言ったところだろう。
開幕ダッシュはメルセデスだろう。死角がなくてまったくもってつまらない。
食い下がるのがフェラーリだろう。レッドブルは熟成度でこの2チームにちょっと置いてゆかれている気がする。
中盤から台頭してくるのがルノー勢の3チーム。レッドブル、マクラーレン、ルノーが一気にQ3常連になってメルセデスとフェラーリ包囲網を広げる気がする。カナダあたりでルノー勢が勝つことが出来ればシーズンは面白くなる。
ヨーロッパラウンドに入ってようやくフェラーリ勢が巻き返し、チャンプ争いは昨年同様ベッテルとハミルトンになる可能性が高い。
予想を大きく覆す出来事があるとすれば、マクラーレンやハースが意外な速さを見せた場合と、フォースインディアがレッドブルに追いつくというような意外性を見せた場合だろう。
その時にメルセデスとフェラーリが気を付けるべきは「スタートクラッシュ」。バンドーン、オコン、ペレス、マグヌッセンといったミサイル攻撃が得意なドライバーには要注意と言ったところ。

back

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送