Team SPIRITS HomePage
人生とは年輪と人は言う
そしてその年輪はパートナーと共に築くものであると僕たちは思う
Team SPIRITSは人、モノ、コトを大事にする人の集まりだと歳月が語っている

□◆□◆ブラッディー講座 特別編□◆□◆

F-1Grand Prix2020 Pre View

1、レギュレーション
2021年 にパワーユニット変更を含む大きなレギュレーション変更が予定されているため、2020年シーズンはなんとレギュレーション変更がほとんどないという年になった。

<テクニカルレギュレーション>
今年は変更なし

<スポーティングレギュレーション>
変更点は1点のみ

@MGU-K年間燃料使用可能量の増加
歴代最多の全22戦開催と言うことで、MGU-Kの年間使用制限数が2基から3基に増加した。但し、中国GPが開催中止になった場合は2基に減らされる可能性がある。

2、マシン
今年のマシンは空力レギュレーションに変更がなかった関係で、車体の変更は小規模にとどまると予想された。
ところがふたを開けてみるとかなりコンセプトを変えてきたチームも多かったのが特徴。
特にフロントノーズ回りなどは明らかにメルセデスを意識したものに変更してきたチームも多い。

@メルセデスAMG F1-W11
No.44ルイス・ハミルトン
No.77バルテリ・ボッタス

6年連続のチャンピオン輩出、コンストラクターズもぶっちぎりでチャンプ獲得を続けているメルセデス。昨年も開幕戦から盤石の連戦連勝で圧倒的強さを見せた。
但しシーズン後半にはレッドブルの追い上げを許したのも事実。つまりホンダエンジン熟成と共にその地位も危うくなるのか?と言うのが今年のメルセデスを取り巻く環境であろう。
今年のマシンは 大成功の昨年型W10の進化型と考えていい。より細くなったノーズとフロントサス上下アームの狭さはこのマシンの特徴。もちろんここはキープコンセプト。前進角の付いたAアームと斜め前方に押し出すようなプッシュロッドは、このマシンの回頭性の良さを生み出しているのかもしれない。
他チームがフロントノーズの[孔]を設置しているのに対してメルセデスはこの孔がなく、逆にノーズ先端が円形になっているのが特徴。サスアームの下側に気流を逃がしてポンツーン付近の小さなウィング類に気流を持ち込むというコンセプトだと思われる。
リア周りも昨年型同様上面を絞り込んだスリムスタイル。これはリアウィングへの気流を最大限生かすための工夫だろう。メルセデスエンジンがコンパクトにできているという証拠でもある。
この上面絞りとリアに行くにつれて下面を絞り込んでアップスイープ形状にしているが、この上下の絞りバランスが良いことでリアのグリップを生んでいるのだろう。
バルセロナテストが始まって他チームが驚いたのは、新デバイス「DASシステム」。これはステアリングを前に押したり手前に引いたりすることで、フロントのトーを変化させることができるデバイス。つまりトーインとトーアウトをレース中に可変できるわけ。これによってコーナーでの回頭性と直進安定性を両立させることができる。このデバイスがどの程度戦闘力を上げることになるか?は注目に値する。
レギュレーション変更がなく、チャンピオンマシンと言うことであまり変化がないのが事実。ただ、他チームの攻めが成功してくるとチャンピオンもうかうかしていられない。
MercedesAMG F1-W11
ドライバーはコンビ4年目となるルイス・ハミルトンと、バルテリ・ボッタス。 ハミルトンはもはや現代で最速の男と言えるだろう。ミハエル・シューマッハの記録を抜くのは時間の問題と思われる。昨年度は6度目のチャンピオン獲得。 今年チャンピオンを獲得すればシューマッハに並ぶ7回目となる。今年もチャンピオン候補No.1と言っていい。
ボッタスはどんどんハミルトンに置いてゆかれている感がある。チームプレイに徹するのも良いが、そろそろ「いい子」を卒業しないとシートも危うい

AフェラーリSF1000
No.5セバスチャン・ベッテル、No.14シャルル・ルクレール

もはや毎年のことなので言いたくないのだが、「頭の悪さ」を克服しないとこのチームに未来はない。
テストで好調だったのに開幕ではメルセデスの後塵を拝し、中盤にルクレールが一気に台頭して3連勝するも、終盤ではレッドブルに歯が立たなかった。
決して遅いマシンではないのに予選戦略やチームメイト同士の確執・・・もはや「伝統」となったお家騒動は情けないとしか言えない。
さて、今年のマシンは・・・と言うと一見昨年型とほとんど変わらないように見えるが、実はかなり大きく変わったと言える。
まずはレッドブルが先鞭を告げた前傾姿勢のボトム形状。これはリアの空力とトラクションを考えた場合のアドバンテージをようやく認めたということか?そしてそのディフューザー効果を最大限生かすべく、サイドポンツーンは明らかに前に移動している。これによってポンツーン下側のえぐり込みも大きくなった。これは間違いなくトラクション効果を高めるはずだ。
またカウル上面の絞り込みもすごい。エアボックス形状の小ささも含めて「エンジン本当に乗ってる?」と言うくらいカウルが小さい。間違いなくリアエンドの気流には好影響を与えるはずだが、逆にエンジンへの吸気は大丈夫なのか?
反面フロントの変化のなさは何も書くことがないくらい昨年型のままだ。トレンドの細いノーズも採用していないし、プッシュロッドの搭載位置もメルセデスほど攻め込んでいない。回頭性は大丈夫なんだろうか?。
昨年色々と言われたエンジンの疑惑だったが、一応 F1のエンジンの中では最も馬力があるフェラーリ。今年は頭が良くなってほしいと切に願う。
Ferrari SF1000
ドライバーはコンビを組んで2年目のセバスチャン・ベッテルと、シャルル・ルクレール。
ルクレール は期待に応えて昨年年間3勝を挙げた。期待通り活躍した若手ドライバーってフェラーリでは久々なのでは?クレバーだし頭もいい子のドライバーは将来のチャンピオン候補だろう。
反対にベッテルはチーム同様頭の悪さが際立ってしまった感がある。ベッテルの場合は自分にぴったり合ったマシンでないとドライビングが雑になる傾向にあり、結局自滅と言う形が根付いてしまった。昨年も書いたが5度目のチャンプになるためには、この雑さ加減を何とかしなければハミルトンには勝てないだろう。 さらにチームメイトのルクレールにも勝てないに違いない。
昨シーズン終盤は間違いなくレッドブルにも負けていたフェラーリ。何度も言うがチームの頭の悪いうちはチャンプ争いには絡めない。

BレッドブルRB16・ホンダ
No.23アレクサンダー・アルボン、No.33マックス・フェルスタッペン

昨年からホンダエンジンを搭載しているレッドブル。ホンダが真価を問われる組み合わせと言われていたが、タッグ1年目に3勝と言うのは十分な成果であったと思う。特に幻のポールを含めて予選で速かったというのが大きい。しかもハイスピードコースでもテクニカルコースでもどちらでも速いという成績は立派。終盤ではもはやメルセデスよりもレッドブルの方が安定して速いという姿を見せつけた。
空力レギュレーションが変化なかったこと支だが、やはりエイドリアン・ニューウェイは「勝負の年」と読んだのか、昨年型とはがらりと変わるデザインのマシンを仕上げてきた。
先ず特徴的なのはメルセデスに似た細いノーズの採用。さらにフロントノーズ先端には2つの「孔」を設け、これがノーズ内部を通っておそらくモノコック下面に排出されている「抜け穴」になっていると思われる。またノーズ両側の小さなフィンなど、フロント周りは昨年型とは全くの別物。これは昨シーズン序盤に苦戦した回頭性の改善のためと思われる。
また、ドライバー後方の小さなウィング、コクピット両脇の複雑なバージボード、複雑なミラーステー、リアウィング翼端板の気流制御用フィンなど、新しい試みがあちこちにちりばめられている。
反面ボディ後方の造形は昨年型を踏襲。ホンダエンジンの特徴である大きなインテークや大き目のカウルは継続使用しており、エンジン側要望を優先した造形になっている。
サイドポンツーンは 昨年型に比較すると上面気流優先からメルセデスのようなアップスイープ併用の形状に変化している。これはディフューザー効果を高めるというコンセプトと思われる。
昨年後半のレッドブルの躍進は1885年のウィリアムズの躍進に似ている。今年は1986年のようなホンダエンジンの圧倒的パフォーマンス を期待してしまう。現在のF1で最速と言われるフェルスタッペンの速さで一気にトップを独走する可能性もある。
Red-Bull RB16

ドライバーはレッドブル5年目となったマックス・フェルスタッペンと 昨シーズン途中からガスリーに代わって昇格したアレクサンダー・アルボン。
フェルスタッペン の速さはもはや「F1界一」と言ってもいいだろう。昨年は序盤こそなれないエンジンと回答性の悪いマシンに翻弄されているようだったが、終盤はハミルトンさえ寄せ付けない速さを見せている。間違いなく今年の打倒ハミルトンの1番手であろう。
アルボンはシーズン後半からの参入にもかかわらず、時にはフェルスタッペンと同レベルの速さを見せる活躍。今年は勝負の年となるだろう。
このチームが開幕ダッシュをした場合、おそらくどのチームもついてゆけないような圧倒的速さを見せるに違いない。

CマクラーレンMCL35・ルノー
No.4ランド・ノリス 、No.55カルロス・サインツ

完全復活とは言えないまでも、昨年のマクラーレンは往年の強さがちょっと戻ってきた感がある。コンストラクターズ6位 だった一昨年から一気にトップ3に続く4番手の地位を手に入れた。しかも時折フェラーリやレッドブルをもしのぐ予選での速さにはちょっと驚いた。
やはりメルセデス風のマシンに仕上げてきたのは正解だったと言えるだろう。
今年のマシンも昨年型を継承するメルセデス風のマシンに仕上がっている。フロントノーズはさらに 細くなり、昨年から採用されたフロントサスレイアウトに関してはさらにアッパーアームが斜めマウントされる形状となった。
昨年のマクラーレンが採用した後退角が大きいアッパーアームは今年のメルセデスも採用しており、前に向かってグリップするというコンセプトが当たったと言えるだろう。これは 昨年のプレビューで「当たったらでかい」と予言したのが的中した。
フロントウィングは昨年型フェラーリのアウトウォッシュ型を採用。簡単に言えばメルセデスとフェラーリのいいところ取りをしているように見える。
リアカウル形状がコンサバなのも昨年型からの継承。カウル上面よりもカウル下面のアップスイープを重視しているように見える。リアサスペンションをフルに覆っている 古典的形状は昨年型のままに近い。
大きく変わったのはバージボード周辺。昨年型はかなりシンプルだったが、今年はレッドブルのような複雑な形状をしている。これは全チーム共通のトレンドだが、やはりフロントノーズとフロントタイヤの間を通過する気流制御が大きく回頭性に影響することを考えての策だろう。
McLaren MCL35 Renault
ドライバーは昨年と全く同じコンビ。サインツはもはや「7番目に速い定位置」を確保した感があり安定性も抜群。
そして新人ランド・ノリスは時折サインツをもしのぐ速さを見せ、クレバーさと共にフェルスタッペン、ルクレールに続く第3の若手の地位を手に入れたと言える。安定してトップ3に着いてゆく速さのあるマシンであれば、時には二人とも表彰台と言う可能性もある。

DルノーR.S.20
No.3ダニエル・リカルド、
No.31エステバン・オコン

着実に結果は残しているもののパッとしないルノーワークス。昨年はカスタマールノーエンジンを積むマクラーレンの後塵を拝してしまうという結果になった。リカルド の安定性や速さ、そしてレースでのタイヤ戦略など「頭の良さ」がなければもっと沈んでいた可能性がある。
それもこれも「マシンがコンサバすぎる」こと。なんせこのプレビューで書くことがなさすぎるくらいなのだから・・・
そんな私のコメントが影響した・・・わけではないが、今年のRS20はかなり攻め込んだデザインに大変貌した。
メルセデス風の細いノーズとフロントサスの後退角デザイン。そしてアッパーアームとロアアームの極端な狭さ。これはフロントノーズ周辺の気流をいかにバージボードに持ってゆくか?と言う気流制御を徹底的に研究した成果だろう。
エアボックスもホンダ並みに大きくなったのも特徴で、これでエンジンパワーへ貢献できるのならば「非力」と言うレッテルも外れる可能性がある。
シェイクダウンの画像で判断するのはちょっと難しいが、リアセクションはあまり攻め込んでいないように見える。これはエンジン回りに極力手を入れたくなかったからではないか?と推定。
マクラーレンがトップチームに迫る速さを見せている今、ワークスの沽券に係わる事態だと言える。がらりと変わったコンセプトのこのマシンで、せめてマクラーレンを食うぐらいはやってもらわないと困る。
Renault R.S.20
ドライバーは2年目のリカルドと、ヒュルケンベルグに代わってブランクから復帰したエステバン・オコンの組み合わせ。
リカルドは昨年も遅いマシンでありながら戦略で前に出るという素晴らしい戦績を残しているし、オコンの速さはフォースインディア時代からも折り紙つき。
2年目となるリカルドが仕上げるこのマシンには期待が持てそうだ。開幕から5戦以内に表彰台に乗ることが出来れば速さは本物と言えるだろう。。

EアルファタウリAT01・ホンダ
No.26ダニエル・クビアト、No.10ピエール・ガスリー

昨年までトロロッソだったこのチームはブランド変更されてチーム名称がアルファタウリに代わった。とはいえレッドブルのセカンドチームであることには変わりなく、昨年のレッドブルRB15の血統を引くマシンとなっている。
ホンダエンジン2年目だった昨年のトロロッソは 、ホンダエンジンの好調と共に躍進。コンストラクターズ6位、2回の表彰台獲得と大活躍した。特に詩シーズン終盤にはレッドブルと互角の速さを見せるまでに成長した。ただし予選の速さはまだまだと言うところで、マクラーレンやルノーと言ったルノーエンジン勢とともにトップ10を争うにとどまった。
さて、今シーズンのマシンは昨年型STR14とレッドブルRB15のいいところ取りマシンと言える。
フロントセクションはRB15そのもの の造形で、パーツを流用したのか?と思えるような形状。これは毎年の同じコメント。今年はサスペンションのマウント位置もほぼ同じように見える。昨年レッドブルはこのフロントセクションの回頭性に手を焼いていたのだが大丈夫なのだろうか?
フロントウィングは昨年型フェラーリのようなアウトウォッシュ型で、ノーズは細く攻め込んだ形状にはしていない。
リアカウルはホンダエンジンの特徴である大きなエアボックスと長く伸びたエンジンカウルが特徴。エアボックスの大きさはおそらく全チームで一番大きいはず。昨年同様リアウィングへの気流は乱れる可能性が高 い。
サイドポンツーンもRB15同様上面絞込みに特化した形状で、ここは他チームがアップスィープに転換しているのを考えるとちょっと古臭さを感じる。
もちろんバージボード周辺は今年のトレンド通り複雑な形状になっているが、フロントサスアームも細いし古典的レイアウト。
確かに昨年のレッドブルRB15は終盤速かったので、キープコンセプトは正しい選択と言えるが、他のチームが取り入れた革新的な造形が当たった場合は、あっという間に置いてゆかれる可能性もある。逆に他チームが外れた場合は一気にトップ4に食い込む可能性もある。
マクラーレン、ルノーと予選で互角に渡り合えるか?が鍵となるだろう。この2チームに常勝するには、やはりホンダエンジンが鍵となるだろう。
AlphaTauri AT01 Honda
ドライバーは昨シーズンから出戻りしたクビアトとシーズン途中に出戻りしたガスリ。つまり出戻り2名。
しかし二人ともこのチームとの相性がいいようで、伸び伸びと楽しそうにドライブしているように見える。これはいい傾向だろう。
昨年は二人とも表彰台を獲得することが出来たが、シーズン序盤のカナダまでに再び表彰台に立つようならばトップチームもうかうかしていられないだろう。

FレーシングポイントRP20・メルセデス
No.11セルジオ・ペレス、
No.18ランス・ストロール

一昨年までのフォースインディア時代はトップ3に次ぐコンストラクターズ4番目の速さを誇っていたが、 レーシングポイントになってフル参戦となった昨年は完全に出遅れてしまった感がある。逆に独創的なノーズなどは面白くもあったのだが・・・
そして今シーズン、なんと周囲から「ピンクメルセデス」と言われるほど、昨年型メルセデスのW10にそっくりのマシンを投入してきた。大体デザイナーが「今までのマシンから得られるインスピレーションはない」と言い切ってしまうほど潔ぎ良いコピー!!
同じメルセデスエンジンを搭載する3チームの中で低迷するウィリアムズを考えれば、メルセデスが第2チームとしてレーシングポイントを選んだのは当たり前。
これによってレッドブル-アルファタウリ、フェラーリ-アルファロメオ、メルセデス-レーシングポイントと言うトップ3のセカンドチームが出そろうこととなった。そしてこのセカンドチームの出来栄えがルノー包囲網になってゆくという図式が見える。
ちなみに書くべきことはほとんどない。なんせメルセデスW10と同じなのだから・・・
細いノーズと円形のノーズ先端、後傾マウント&上下幅の狭いフロントサス、カウルの上端絞込み形状など本当にそっくりだ。これで遅いわけがないのだが、もちろん他チームは進化しているのでいつまでチャンピオンアドバンテージが続くか?と言うことになる。
開幕からの序盤では不調フェラーリを食う場面もあり得るだろう。
Racing Point RP2 Mercedes
ドライバーラインナップは昨年と全く同じコンビのペレスとストロール。
相変わらずレーシングポイントのドライバーは「壊す」のが大得意だが、予選で上位を獲得できれば壊し屋の汚名を返上できるかもしれない。
親父の後光が差しているストロールは、このマシンを得たならば表彰台くらいは乗らないとだめだろう。
ペレスは元々速いのだからもうちょっと頭をよくしないと上位ランキングに進出するのは難しい。
ただ、二人とも早い時は猛烈に速いタイプなので、マシンの素性が良いと思われる今シーズン、実は台風の目になるかもしれない。

GアルファロメオC39 フェラーリ
No.7キミ・ライコネン、No.99アントニオ・ジョビナッツィー

昨年からアルファロメオ レーシングチーム として参戦しているこのチーム。シーズン序盤はライコネンがコンスタントにポイント獲得していたのだが、後半はマクラーレンの台頭などで失速してしまった感は否めない。
ただ、ジョビナッツィーは安定して速くなってきたし、タイヤ交換の合間にトップを快走するなどの活躍は素晴らしいものがあった。
今年もフェラーリの第2チームとして参戦することになるが、発表されたマシンは、ん?昨年型?と思えるような変化のなさ。
特徴あるフロントウィング形状もそのまま・・・ということは効果はあったと判断しているのだろうか?他チームがノーズ中央部からバージボードへ流す気流を重視してアウトウォッシュ型を採用しているのと全く逆のコンセプトであり、なんかしっくりこない。
フロントサスペンションも前傾型で、トップチームが採用しつつある後傾型ではない。これも他チームとは逆発想。
唯一気になるのはエアインテークの形状。メイン吸入口の両脇にサブの吸入口があるのだ。これはターボ用とエンジン用の2系統の吸気があることを意味しているが、フェラーリほどカウルは絞り込んでいない。要は昨年型のフェラーリエンジンを乗せているということか?
サイドポンツーンの広報処理はマクラーレン風でこれは古典的。但しカウル上面の絞り込みが大きいのでリアウィング効果は高そうだ。
要は「フロントは昨年型が正解なんですよ。リア周りのグリップが不足していたのでそこだけは改良しましたよ」と言うマシンに見えてしまう。
一気にテールエンダーにならなければいいが・・・。
AlfaRomeoC39 Ferrari 
ドライバーはコンビ2年目となるキミ・ライコネンアントニオ・ジョビナッツィー。
ライコネンのしぶとさとレースでの強さは誰もが認めるところだし、ジョビナッツィーも1年目の昨年後半の活躍は目覚ましいものがあった。
だからこそ良いマシンをこの2人に与えてトップチームを脅かしてほしいところ。本家フェラーリが頭が悪い分、頭の良さでコンストラクターズ8位をもぎ取ったこのチームだけに失速して欲しくない。

Hハース・フェラーリVF20
No.8ロマン・グロージャン、No.20ケビン・マグヌッセン

一昨年の躍進を 一気に使い果たして下位に沈んでしまったハース。カッコいい黒のカラーリングだったのに今年は元に戻してきた。笑
では相対的に遅くなってしまったマシンを大幅改良したのかな?と思いきや、今年のVF20もVF18以来の血統を引くコンサバなマシン・・・。
ノーズも相変わらずぶっといし、フロントサスのハイマウントも行っていない。昨年回頭性で苦しんでいたのだから、もうちょっと攻めてこないとダメなんじゃないの?但しフロントの上下アームはかなり狭くなり、ウィング形状もトップチームに近い中央気流制御型のアウトウォッシュを採用。但しバージボード形状はトップチームほど複雑ではない。
フロントサスペンションもトップチームのような後傾マウントにしてきたので、これは回頭性改善になるかもしれない。
リアカウルはフェラーリのように極端に絞り込んだ形状になっており、これはフェラーリのパワーユニットの小型化を最大限生かした設計と言える。
サイドポンツーンの後方絞込みはマクラーレン風だがカウル下面の絞りよりも上面の絞りを優先している。補機搭載の関係か?
ただ、正直書くことが少なくて困るほど変化がない。泣かず飛ばずにならねば良いが・・・
Haas VF20 Ferarri
ドライバーは4年目のコンビとなるグロージャンとマグヌッセン。一昨年は気が付けばトップ10という安定性を示したが、相対的に他チームに劣ってしまった昨年は「いたの?」くらいの存在感のなさになってしまった。
グロージャン にしてもマグヌッセンにしても飛びぬけた速さはもはや期待できないドライバーであり、マシン完成度が低ければ今シーズンもQ2に行くのも厳しい状況に陥るだろう。

IウィリアムズFW43・ メルセデス
No.63ジョージ・ラッセル、No.6ニコラス・ラティフィ

このところコンストラクターズ最下位の常連となったウィリアムズ。過去の栄光はどこ行った?
昨年はベテランのクビサを起用してマシン熟成を図ったが、他チームと一線を画す遅いマシンとブランクの長かったクビサには厳しい1年になってしまった。なんせ他チームに比べて2秒遅いマシンではレースどころの騒ぎではない。
んで、発表された今シーズンマシンのFW43は・・・期待値ゼロだろう。
あれだけ駄目だった昨年型のキープコンセプトとは、いったいやる気があるのか?と疑いたくなる。
フロントウィングもアウトウォッシュでもなければアルファロメオのような攻め方もしていない。バージボードは20年前のF1のようだしフロントサスに至ってはFW11?と思うくらいのシンプルさ。
唯一攻め込んでいるのはサイドポンツーン上面の絞り込みくらい。ここはさすがに昨年型のような古典的な姿は止めたようだ。
チャンピオンと同じメルセデスエンジンを積むとは思えないこのマシン。最下位は決定した。
Williams FW43 Mercedes
カラーリング変更

ドライバーは昨年から引き続きシートを獲得したジョージ・ラッセルと、新人のニコラス・ラティフィ
ラッセルは時折ハースやアルファロメオをも追い回すほどの速さを見せており、もっと「ちゃんとしたマシン」に乗せてみたいドライバーだ。さすがF4、F3、GP3、F2と着実にステップアップしてきた苦労人 だけのことはある。
ラフィティは昨年のF2選手権2位のドライバー。ニコ・ロズベルグのカーナンバーだった6を選択した。実力は正直未知数。2014年にGP2に参戦以来、ずっと「2」のカテゴリーにいたと言うこちらも苦労人。
昨年と同じく 苦労人2名でタッグを組むが、マシンがこれではテールエンダーだろう。

さて、新車が全て出そろって、2月19日から恒例のバルセロナテストが始まっている。
テストの結果を見ると、メルセデスが連日トップタイムをマークしている状況で、しかも昨年のテストタイムより1秒も速い!これはC5コンパウンドを履いている際のタイムで、おそらくDASシステムを予選で使用するときのタイム差などをチェックしているためと思われるが、この時期のテストでメルセデスが毎日トップタイムと言うのは珍しい。
ただ、同じC5を多く試しているアルファロメオはメルセデスの2秒落ち。この差は圧倒的と言えるのではないか?つまりC4よりも硬いコンパウンドを履いたとしてもメルセデスはぶっちぎってしまうように思われる。
反対にロングラン中心にテストをしているとはいえ、フェラーリのタイムが伸びてこないのは気になる。正直同じコンパウンドを履いているハースとタイムに差が見られないのだ。
ピンクメルセデスことレーシングポイントはやはり安定して速そうだ。ルノーやレッドブルと拮抗するタイムをマークしていることからしても期待できそうだ。
ホンダ勢の2チームも好調に見える。特にフェルスタッペンは堅いC2コンパウンドを履いていても他チームのC4コンパウンドのタイムと拮抗するほど乗れている。アルファタウリも常に上位にタイムを並べている。
つまりメルセデスが無敵で、その後ろにレッドブル、中団はフェラーリ、アルファタウリ、ルノー、レーシングポイント、ハース、マクラーレンが団子状態、ちょっと遅れてアルファロメオ、さらに遅れてウィリアムズと言うところだろうか。
2回目のバルセロナテストまでにどこまで熟成が進むか?楽しみにしてみたい

この記事を書いている時点でバルセロナテストは3日目までが終了している。現時点での予想としてちょっとコメントしてみよう。
・メルセデスはDASの調子も良さそうなので今年も盤石か?ただ、新デバイスには不具合がつきものなので足を引っ張らねば良いが・・・
・筆頭は間違いなく レッドブル。フェラーリ不調とみる今年はメルセデスとレッドブルの一騎打ちになる可能性が高い。4台が常にトップ4を占める争いをしてくれるとレースも面白いのだが・・・。ここに同じホンダを積むアルファタウリがレッドブルをサポートしてくれるようだとメルセデス包囲網を形成できる。
・フェラーリはアルファロメオと共に今年は沈みそうだ。フェラーリは元々頭が悪いうえ、マシンに革新性がない。アルファロメオも手堅いのだが、同じく革新性がない。昨年エンジンに関して色々突っ込まれているので、エンジンに劇的な進化も見られないとすれば、中団に飲み込まれてしまいそうだ。
・躍進しそうなのはレーシングポイントとマクラーレン。マクラーレンの上り調子は昨年から引っ張るだろうし、今年のマシンも進化の度合いが高そうだ。同じくレーシングポイントはプライドを捨ててメルセデスをコピーしてきたくらいだから、必ず結果は出すだろう。
・よくわからないのがルノー。本気でF1で勝つ気があるのかどうか?がわからない。どうやら2021年の新レギュレーションに向けて、今年は捨てたと考えるのは早計か?
・書くべくもないがウィリアムズはテールエンダー間違いなし。若手2人の布陣と言い、マシンの出来栄えと言い、ちょっと期待薄。

さて、 2回目のバルセロナテストが終了した2月29日。全チームの勢力図が見えてきた気がする。
やはりメルセデスは盤石。2回目のバルセロナテストは雨にたたられたこともあってタイムは初日の1分15秒台が最速だったが、15秒台はメルセデスしか記録していない。ただ、PUに重大な問題があるというコメントが発せられていることは暗雲。
同じくメルセデスエンジンを積む「ピンク・メルセデス」ことレーシングポイントも好調のようだ。ルノーと互角の速さを見せている。
メルセデスの大綱は間違いなくレッドブルだろう。ライバルよりも1ランク硬いC4コンパウンドでもメルセデスに0.07秒差まで最終日に迫ってきたことは、ホンダPUの熟成の高さを思わせる結果。メルセデスPUの問題が解決できなかった場合、開幕ダッシュを決められるかもしれない。
フェラーリは昨年発揮していた直線の速さがなくなってしまった、これはフェラーリPU搭載車全体に言えることで、ハースもアルファロメオも不調。
特にアルファロメオは現時点でウィリアムズよりも遅いという実情が見えてしまっている。
ダークホースはマクラーレン。レッドブルと同じくC4コンパウンドでも、ライバルのC5コンパウンドタイムに匹敵する速さを見せており、これは期待できるかもしれない。
ということで開幕ダッシュはレッドブル。メルセデスとレーシングポイントがこれを拮抗し、フェラーリ、マクラーレン、アルファタウリがセカンドグループと言うことになると見た。セカンドグループにはルノーも加わって4つどもえかもしれない。ハース、ウィリアムズ、アルファロメオはQ2進出の1台をを6台で争うと言う図式から逃れられそうにない。

注目の開幕戦は例年通りメルボルンで迎える。昨年同様3月中旬の15日開幕と言うスケジュールになった。 最終戦アブダビは11月29日開催。昨年に続く長丁場になる。
開催場所はベトナムとオランダが追加になり、ドイツがカレンダー落ちした。メルセデスやベッテルと言ったドイツの英雄がいるのに・・・
ベトナムは初開催。オランダはなんと1986年以来39年ぶりの開催。懐かしの残とホールドでのグランプリが復活する。
日本GPは例年通りの10月3連休となり、観戦がしやすいスケジュールになっている!
連戦はなんと6回。今年は第2戦バーレーンと第3戦ベトナム、第5戦オランダと第6戦スペイン、第8戦アゼルバイジャンと第9戦カナダ、第10戦フランスと第11戦オーストリア、第14戦ベルギーと第15戦イタリア、第16戦 シンガポールと第16戦ロシア、第18戦メキシコと第19戦アメリカが連戦となっている。
例によって夏休みが第13戦ハンガリーと第14戦ベルギーの間に4週間取ってある。

ただ、全22戦で開催される予定であったが、新型コロナウィルスの影響で中国GPの 延期が既に決まっている。さらに2月下旬現在世界中大流行の兆しを見せているこのウィルスの影響は、開幕戦のオーストラリアさえも開催できない可能性を示しており、もしかしたら今年のグランプリがそのまま開催できずにシーズンカレンダーのみが進行するという最悪の事態も考えられる。

<3/23追記>
全世界的に猛威を振るう新型コロナウィルスの影響で、開幕戦オーストラリアGPが金曜日FP1の2時間前に延期となってしまった。
その後状況は刻々と悪化し、3月23日時点で開幕8戦の延期または中止が発表されている。
特にモナコGPは市街地を閉鎖してレースをするという特殊性から中止の決断がなされている。
今年は39年ぶりに開催となるオランダGP、新規開催となるベトナムGPが組まれていたが、その両戦とも延期となってしまっている。
どうなるかわからないが、8月の夏休みを前倒しし、その間に延期GPを組み込むという日程変更説が有力になっているが、果たしてこのウィルスの影響がいつまで続いてしまうのか?

開幕戦 オーストラリアGP 3月15日⇒中止決定
第2戦 バーレーンGP 3月29日⇒延期決定
第3戦 ベトナムGP4月5日⇒延期決定
第4戦 中国GP 4月19日⇒延期決定
第5戦 オランダGP 5月3日⇒延期決定
第6戦 スペインGP 5月10日⇒延期決定
第7戦 モナコGP 5月24日⇒
中止決定
第8戦 アゼルバイジャンGP 6月7日⇒
中止決定
第9戦 カナダGP 6月14日⇒延期決定
第10戦 フランスGP 6月28日⇒延期決定
第11戦 オーストリアGP 7月5日
第12戦 イギリスGP 7月18日
第13戦 ハンガリーGP 8月2日
第14戦 ベルギーGP 8月30日
第15戦 イタリアGP 9月6日
第16戦 シンガポールGP 9月20日⇒
中止決定
第17戦 ロシアGP 9月27日
第18戦 日本GP 10月11日⇒
中止決定
第19戦 メキシコGP 10月25日
第20戦 アメリカGP 11月1日
第21戦 ブラジルGP 11月15日
最終戦 アブダビGP 11月29日

<5/19追記>
新型コロナウィルスの影響でカレンダーが大幅に崩れている2020F1だが、5月17日に新カレンダー予想が発表されている。
前半戦は1サーキットでの連続開催で始まり、ハンガリー以降は元のカレンダーに延期となったGPが組み込まれる形のスケジュール。
シンガポール、オランダ、カナダはカレンダー落ちしている。
果たしてどうなることやら・・・
<6/12追記>
アゼルバイジャン、日本の2グランプリの中止が決定。序盤8戦の開催スケジュールが決まった。
注目すべきはシルバーストンのイギリスGP。2戦連続開催だが、供給タイヤのコンパウンドが違う設定となった。
第9戦以降はまだ未定となっている。

開幕戦 オーストリアGP 7月5日:2戦連続 ⇒開催決定(タイヤC2,C3,C4)
第2戦 シュウターアーマルク(オーストリアGP) 7月12日:2戦連続⇒
開催決定(タイヤC2,C3,C4)
第3戦 ハンガリーGP 7月19日⇒
開催決定(タイヤC2,C3,C4)
第4戦 イギリスGP 8月2日:2戦連続⇒
開催決定(タイヤC1,C2,C3)
第5戦 70周年記念(イギリスGP) 8月9日:2戦連続⇒
開催決定(タイヤC2,C3,C4) 同じサーキットでタイヤが違うチョイス
第6戦 スペインGP 8月16日⇒
開催決定(タイヤC1,C2,C3)
第7戦 ベルギーGP 8月30日⇒
開催決定(タイヤC2,C3,C4)
第8戦 イタリアGP 9月6日⇒
開催決定(タイヤC2,C3,C4)
第9戦 トスカーナGP9月13日(ムジェロ)⇒
開催決定
第10戦 ロシアGP 9月27日⇒
開催決定
第11戦 アイフェルGP 10月11日(ドイツ・ニュルブルクリンク)⇒
開催決定
第12戦 ポルトガルGP 10月25日(ポルティマオ)⇒
開催決定
第13戦 エミリア・ロマーニャGP 11月1日(イタリア・イモラ)⇒
開催決定
第14戦 トルコGP 11月15日⇒
開催決定
第15戦 バーレーンGP 11月29日:2戦連続⇒
開催決定
第16戦 サヒール(バーレーンGP) 12月6日:2戦連続⇒
開催決定 同じサーキット だが、最外周コースを使う超高速サーキット
最終戦 アブダビGP 12月13日

 ということで 予想の総括!
今年の開幕ダッシュはレッドブルではないかと言う予想!昨年後半の最速をそのまま継続して速いと思われる。
メルセデスはDASシステムとPUのトラブルで足を引っ張りそうな気がする。低速コーナーと高速ストレートを組み合わせたようなコースではDASシステムが威力を発揮するはずなので、中国GPがキャンセルになったのは痛いかもしれない。
カナダまでにメルセデスとレッドブルのチャンプ争いの図式が確立し、他チームはこの時点で戦意喪失。
フェラーリは開幕から絶不調でマクラーレンやレーシングポイント、アルファタウリに後塵を拝するかもしれない。下手をするとQ3に進出できないという事態まで起こってしまう気がする。
ダークホースはもちろんレーシングポイント。下手をするとフェラーリを食ってトップ6の常連になる可能性もある。但し、ホンダPUの熟成度合いによってはアルファタウリを含めたホンダ系2チームとメルセデス系2チームの4つどもえが展開されるかもしれない。
アルファロメオとハースはQ2進出をいつも争っているという位置に留まりそう。ウィリアムズよりは速いが、中団他チームには追いつけないという位置が定位置になってしまいそうな気配だ。
良くわからないのがルノー。当たれば速いのだろうが、マクラーレンを凌駕する速さがない場合は「今年は諦めた」とみるべきだろう。
ということで、今年のチャンプ本命はズバリ「フェルスタッペン」としておこう。 昨年初のポールポジションを獲得してからは、速さに加えて強さも身に着けている気がする。今年こそ!1991年以来のホンダエンジンのチャンプに輝いてほしいものだ。
対抗はハミルトン、穴はボッタス、そして大穴はストロールorサインツと言うのが私の予想。

back

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送