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□◆□◆ブラッディー講座 特別編□◆□◆

F-1Grand Prix2021 Pre View

1、レギュレーション
2020年はCOVID19感染症の大流行により、とんでもないシーズンとなってしまった。
シーズン序盤は開幕さえできず、結果的にヨーロッパのみの全17戦を7月〜12月の短期間に集中して開催するというシーズンとなった。
この結果、2021年に予定されていたパワーユニット変更を含む大きなレギュレーション変更は延期され、マシン開発も基本的には凍結した状態で2021年シーズン は行われることとなった。

<テクニカルレギュレーション>
前述の通りCOVID19による2020シーズンの遅れもあって、モノコックの開発が禁止される。
ただし、小変更は認められているのでその点を解説する。

@2トークンを使用した車体の設計変更
モノコックは昨年型を踏襲し、設計変更は認められていない。ただし2トークンを使用した空力的なボディワークの変更が認められている。
この2トークンを昨年型のマシンのどの部分に使用するか?は各チームが選択できる。

A最低重量の変更
マシン全体の最低重量を746kg→752kgに引き上げられる。
なお、パワーユニット本体の重量も145kg→150kgに引き上げられる。

Bフロア面積の縮小
ダウンフォース量10%減少を目的として、フロアの面積が縮小される。

CDASの禁止
昨年メルセデスが採用したDAS(デュアル・アクシス・ステアリング)は禁止される。
これによってセイフティーカーラン時に意図的にフロントタイヤを発熱させる目的の可変デバイスが使用不可能になる。

Dコピーマシンの禁止
昨年「ピンク・メルセデス」と言われたレーシングポイントのようなことが起きないように、リスト化された自社開発パーツの他にも、他チームからの技術研究目的での供与などは基本的に禁止される。
ただしリステッドパーツ以外の部品購入に関してはこの限りではない。
画像解析などを駆使したリバースエンジニアリング(いわゆるコピー)は基本的に禁止される。

<スポーティングレギュレーション>
マシンの開発がほとんどないと言うほど制限された代わりに、運営上のルールはかなり大きく変更が入ることとなった。
とは言っても実質的な変更は3点のみだが、これはレース結果に大きな影響を与えそう

@プレシーズンテストの減少
例年バルセロナで6日間開催されていたプレシーズンテストは、バーレーンでの3日間に変更される。
ピットも目隠しが禁止されるので、このプレシーズンテストでマシン変更点の概要がわかるはずだ。

AFP1,FP2のセッションタイム変更
昨年までFP1とFP2は90分のセッションだったが、今シーズンから60分に縮小される。これによりドライバーにはより短時間でのセッティングが求められることになる。
ただ、昨シーズンは土、日のみの2日間(つまりFP1,FP2が存在しなかった)で開催されたイモラなどの例もあるので、実は問題はないのかもしれない。

Bスーパークオリファイイングの試験的導入(未決定)
長年F1のタイムスケジュールは、金曜日にFP1とFP2、土曜日にFP3と予選、日曜日に決勝という形で行われてきたが、今シーズンは試験的に3レースでスケジュールが変更される。(カナダ、イタリア、ブラジル)
この3戦では金曜日にFPと予選、土曜日にスーパークオリファイイング、日曜日に決勝というスケジュールとなる。要は土曜日は日曜日の決勝グリッドを決めるための予選レースとなるわけ。
フリー走行が1回のみになってしまうので、既に開催経歴のあるサーキットに絞っての試験導入となったわけ。まだ決定ではないが、導入されるとなるといろいろと左右されることもありそうだ。果たしてどうなることやら・・・

Cタイヤ選択権がなくなった
2019シーズンまでは各グランプリでタイヤのコンパウンドを各自何セット使うか?は各ドライバーの選択に任されていた。これが禁止され、毎レース1台ごとにハード2,ミディアム3、ソフト8の合計13セットが統一して供給される。
これはCOVID19で大幅にスケジュールが変更された昨シーズンから導入されたルールの踏襲だが、シーズン前から宣言して導入されるのは初めて。

2、マシン
今年のマシンは正直昨年型の踏襲と言って良いが、それでも2トークンを使用しての積極的改良がチームごとに行われた。
大部分のチームはフロア縮小に伴うダウンフォース減少を補うため、リアセクションにそのトークンを使用した。

@メルセデスAMG F1-W12
No.44ルイス・ハミルトン
No.77バルテリ・ボッタス

7年連続のチャンピオン輩出、コンストラクターズもぶっちぎりでチャンプ獲得を続けているメルセデス。昨年こそは他チームのプレッシャーを受けるか?と思いきや、またも開幕戦から盤石の連戦連勝で圧倒的強さを見せた。 (もはやこの辺は昨年のレポートのコピペで行ける)
COVID19の影響もあって開幕が遅れ、結果的に開幕で一番完成度が高かったことで他チームは追随できなくなってしまった。
但し、2019シーズン後半から台頭してきたホンダエンジン勢の好調には、時折その座を脅かされると言う感覚もあったはずだ。
今年のマシンはもちろんレギュレーション変化がないこともあって、 大成功を修めた昨年型W11からほとんど進化はない。ただし昨年型で採用していたDASシステムは禁止されている。
ノーズ はさらに薄く低くなったようにみえるが、どうやら大きな変化はリアにあるように見える。リアサスペンションアームの周囲のカウリングは、どうやらフロア縮小に伴うダウンフォースロスをカバーしているように見えるのだが、正直読み取りにくい。
昨年型 では絞り込んだカウル形状が直線的にリアサスアッパーアームに伸びていたが、W12では若干ポンツーン後端から上にアップスイープしてから下方にドロップしているように見える。上下絞り込みの後端がリアサスのアッパーアーム付近になっているのは同じだが、要はその前の部分でフロアとカウルのえぐり部分の空間を広げているように見えるのだ。
また、カウル正面にちょっとした盛り上がりがある。これはエンジンのシリンダーヘッドを避けるバルジのように見える。それだけカウルそのものの小型化を図ったように思う。
ただ レギュレーション変更がなく、チャンピオンマシンと言うことであまり変化がないのが事実。ただ、他チームの攻めが成功してくるとチャンピオンもうかうかしていられない。 (これも昨年のコピペ!)
MercedesAMG F1-W12
ドライバーはコンビ5年目となるルイス・ハミルトンと、バルテリ・ボッタス。 ハミルトンはミハエルの持つ記録を次々と塗り替え、ついに7回目のタイトルを獲得。もはや彼を倒すにはよほどのマシンアドバンテージが必要だろう。今年もチャンピオン候補No.1と言っていい。
ボッタスはますますハミルトンに置いてゆかれている感がある。 予選で速くてもレースペースで負けてしまうと言うのは、おそらくタイヤの使い方の問題だろう。昨年ハミルトンの代役でラッセルが1回だけメルセデスに乗った際も、ラッセルを凌駕するに至らなかった。今年がダメなら首だろう。

AレッドブルRB16B・ホンダ
No.11セルジオ・ペレス、No.33マックス・フェルスタッペン

実は昨年のレッドブルは「成功したシーズン」とは言えないだろう。ホンダと初タッグを組んだ一昨年3勝 を上げ、シーズン終盤はメルセデスと互角かそれ以上の速さを見せていたのだが、昨年は「2番手」から抜け出せないシーズンとなってしまった。
それはひとえにマシンのピーキーさにあったはずだ。と言うの もストレートでの速さは伸びたものの、バンプやアップダウンのきついコーナーなどで「お尻が出る」ような挙動が目立ったのが原因と言わざるを得ない。
そのおかげでアルボンもフェルスタッペンも実によくスピンをした。バトルになった際にも「ズバリ」と切り込む切れ味の良さが影を潜めてしまった。
さて、レギュレーションが変わらない中での今年のマシンは、その原因となるリア周りの改善に取り組んだと思われる。
特徴的なのはリアカウル上面の絞り方。他チームがなだらかに絞り込む形状をしているのに対して、垂直にせりたった崖のような形状で上面の気流が直接リアウィングに当たり、下面気流はサスペンション間を通過するような形状になった。
これはリアが跳ねた際の気流の乱れを最小限にしたいという目論見だろう。
但し、マシンのほかの部分はほとんど変わりがなく、ネーミングもRB16B。要は「昨年型は成功作だったんだけどリア周りは改善しました」というニューウェイの自信の表れか?
熟成が進むホンダエンジンのパフォーマンスに、リア周りの挙動が改善されたであろう今年のマシンを持ってすれば、フェルスタッペンの速さで メルセデスを食ってくれるのも期待できる。
なんと言っても第4期F1参戦の最後を飾るシーズンとなるホンダは、間違いなくチャンピオンを取りに来るはずだ。
Red-Bull RB16B

ドライバーはレッドブル6年目となったマックス・フェルスタッペンと、 昨シーズン限りでレーシングポイントを解雇されたセルジオ・ペレス。
ペレスも最近はクレバーな走りになってきたし、昨シーズンの速さは時折レッドブルをもしのいでいたことを考えれば、このドライバーラインナップには期待が持てる。マシンの挙動さえ安定すれば、メルセデス2台に戦略で立ち向かうこともできるだろう。
ただしペレスの場合は今までチームメイトと比較されることがあまりなかったこともあって、今年は正念場。ベテランの味をうまく出して結果につなげないと、1年でまたアルボンに代わられる可能性もある。
フェルスタッペンの速さは申し分ないだろう。間違いなく今年の打倒ハミルトンの1番手 。マシン挙動が安定すれば取りこぼしがなくなるはずで、特に雨でのパフォーマンスには期待できるはずだ。

BマクラーレンMCL35M・メルセデス
No.3ダニエル・リカルド、No.4ランド・ノリス

昨年のマクラーレンは私の予想通り速さを見せ、コンストラクターズ3位と言う結果を残した。まあ、フェラーリがふがいなかったと言うことで一昨年 の4位とあまり変わらないが、トップ2が下位に沈んでいる際にトップを走行するなどの実力を見せたのは事実。予選での速さも好調を維持した。
もちろんそのコンセプトを受け継いだ今年のマシンはレギュレーションに変化がないこともあってもちろんキープコンセプト。名前さえもMCL35にモデファイの「M」がついただけ!実にわかりやすいマシンとなった。
メルセデス風の フロントノーズやサスペンション、フェラーリ風のアウトウォッシュフロントウィングなど、昨年型の良いところを引き継いだのはもちろんだが、今年のマシンはリア周りの改善を図ったようだ。
と言うのもなんとエンジンを再びメルセデスにスイッチすると言う変更があったのが大きい。エアインテークが若干大きくなり、サブの吸入口がなくなった。これは他のメルセデスエンジン搭載車と同じ。よく見るとカウル 上面の絞り込みは昨年ほど深くなく、ワークスメルセデスに形状が近くなった。
ただ、他チームに比べるとまだカウル形状はコンサバ。カウル上面よりもカウル下面のアップスイープを重視しているのも同じコンセプト。リアサスペンションをフルに覆っている古典的形状 も一昨年から同じ。
やはり開発機関の短さや、レギュレーション変更がないと言うことでMCL35から大きく変えることは避けたと思われる。
McLaren MCL35M Mercedes
ドライバーは時折速さを見せつけたランド・ノリスが残留。フェラーリに移籍したサインツの代わりに、「いぶし銀」ダニエル・リカルドがルノーから移籍してきた。優勝経験のあるトライバーが加わったことで、レース戦略にも幅が出てくると思われる。
何よりも「巧さ」と「頭の良さ」が際立つリカルドが、チャンピオンエンジンの搭載車にのるわけだからこれだけでも期待できるだろう。今年も痛快にトップ2チームを追いかけてもらいたいものだ。

CアストンマーチンAMR21・メルセデス
No.5セバスチャン・ベッテル、No.18ランス・ストロール

昨シーズンは「ピンクメルセデス」と言われてシーズンの台風の目となったレーシングポイント。私の予想通りフェラーリを食う活躍をしてくれた。最もフェラーリが自滅したという見方が正しいのであろうが・・・。
そして今シーズンはチーム名をアストンマーチンに変更!ブリティッシュグリーンの美しいカラーリングで再出発することとなった。
もちろん成功作となった「ピンクメルセデス」こと昨年型RP2の正常進化型であることは言うまでもない。そして提携しているメルセデスAMGから多数のカスタマーパーツを譲り受けてアップデートしてきた。
ということで今年もメルセデスのフォルムそっくりなのは当然なのだが、リア周りの造形に関しては独自性を感じる。
本家メルセデスがカウル正面の絞り込みをあまり攻めていないのに対して、アストンマーチンはカウル正面後端の絞り込みが大きい。よって本家よりもカムカバーを避けるためと思われるバルジが大きくなっている。
ただし、目立つのはそのくらい。他に書くべきことがあまり見当たらない。強いてあげれば「カラーリングがかっこいいから速そう」と言うくらいか?
昨シーズンは中団争いのみならず、トップ争いに迫る活躍をしていたことを考えれば、今シーズンもマクラーレン、アルピーヌ、アルファタウリとのQ3進出争いを熾烈にしてくれることは間違いない。
Racing Point RP2 Mercedes
ドライバーラインナップはオヤジの後光、ストロールが残留。
そしてフェラーリで不遇の扱いを受けていたベッテルが移籍してきた。あおりを食ったペレスの放出にはびっくりさせられたが、ベッテルももはやベテランの領域。昨年好調のこのマシンを手にして、ストロールに大差をつけるような働きをする必要があるだろう。
二人ともマシンが決まったときは猛烈に速いタイプであり、レースでの戦略や我慢の走りができるようになれば、2台そろって表彰台も夢ではないはずだ。

DアルピーヌA521
No.14フェルナンド・アロンソ、
No.31エステバン・オコン

ずっとパッとしない成績だったルノーワークス。昨年は リカルドの「頭の良さ」もあってマクラーレン、レーシングポイントとコンストラクターズ3位を争う接戦の中に入ることができた。
昨年型RS20が「攻めのマシン」となっていたことは間違いなく、 メルセデス風の細いノーズとフロントサスの後退角デザインなど、トレンドを一気に取り入れたマシンは安定して上位に進出することができるようになった。
そして今年、ルノーからアルピーヌに参加ブランドを変更し、攻めの姿勢を出してきたのは間違いないだろう。ただし元々2021シーズンから新レギュレーションになることを見据えてのブランド変更だったので、初年度は思惑違いになるかもしれないが・・・。
エアボックスは昨年型と同じように平たい独特の形状になっているが、リアへ向かったドロップ形状はよりスリムになったようだ。
特徴的なのはリアカウルの絞り方で、他チームが比較的アッパー側を絞り込んでいるのに対して、リアに向かって跳ね上がるようなアップスイープの形状をしている。これもフロア面積縮小の対策なのであろうか?
最大の特徴はエアボックス後方のカウルが盛り上がっていること。前面投影面積は明らかに大きいのだが、エンジンへの吸気は大きな容量が確保できる。ドラッグよりも吸気効率を重視したと言うことなのか?
ポンツーン開口部は昨年からレッドブル風になったがここは踏襲。成功作と言ってもいいRS20のいいところは残したというところか。
ただ、正直目立った進化が見られるわけではなく、最も進化したのはかっこよくなったカラーリング(笑)と言えるかもしれない
Alpine A521 Renault
ドライバーは昨年復帰したエステバン・オコンと、なんと2年ぶりのF1復帰となるアロンソの組み合わせ。
オコンは速いが雑というドライビングを何とかしないと鳴かず飛ばずで終わるだろう。重要なのは復帰したアロンソのマシン開発能力だが、正直このところアロンソは「遅いマシン」にしか乗っていない。1年で進歩してしまうF1の世界で2年のブランクは大きい。
リカルドがQ3常連となるまで仕上げてくれたRS20がベースなので大きくこけることはないと思うが、今回の空力パッケージ進化がさほどの効果を生まなかった場合は、再びフェラーリに抜かれ、アルファタウリには歯が立たないという可能性もある。

EフェラーリSF21
No.14シャルル・ルクレール 、No.55カルロス・サインツ

えっと・・・昨年のフェラーリの成績に関しては言うことはない。「ブラッディー」の予言通り最近のマシントレンドを無視した設計は、なんとコンストラクターズ6位という低迷を招いた。
一昨年の成績が何とか保てたのは「法の抜け穴」を使ったエンジンのパフォーマンスだけだったと言うことを証明してしまったわけだ。
つまり「遅くあるべくして遅いマシン」を露呈し、「戦闘力はない」と断言できるのは言うまでもない。
「頭の悪さ」だけではなくて「マシンも悪い」となってしまったわけだ。
そして今年、マシンそのものへの変更が出来ないレギュレーションはかなり厳しいと言わざるを得ない。発表されたSF21はSF1000にうり二つ。
モノコックが変えられないのだからサスペンションも変更できない。
おそらくトークンはギアボックス変更とパワーユニットの改良によって変更せざるを得ないリア周りに使ったのだろう。
攻めすぎた感のある昨年型に比べるとカウル上面の形状やリアサスペンション周りには空力的な変化が見られる。
フロントもモノコックから先の形状はノーズ先端を細くするなどの改良が見られる。
しかしなんと言ってもこのチームはパワーユニットの戦闘力が戻らないと戦えない。
エアボックスが若干大きくなったのはパワーユニットの改良のためと思われるが、それが実を結んでくれないと今の状況からは脱せないだろう。
Ferrari SF21
ドライバーはもはやエースとなったシャルル・ルクレールと、マクラーレンから移籍のカルロス・サインツ。
ルクレールは一昨年3勝を挙げたが、昨年はQ3進出がやっとという状況。クレバーだし頭もいいドライバー なので、シーズン序盤は奇跡的な表彰台も獲得。マシン性能さえ向上すれば再びトップ争いに返り咲くだろう。
サインツも昨年のマクラーレン時代にトップ争いに絡むこと多数。実力もルクレールに引けを取らないはずだ。攻めの姿勢も素晴らしい。
要は元気のいい若手を生かすも殺すもマシンの性能次第。レッドブルを追い回すくらいの戦闘力がなければ二人の有能な才能を殺してしまう。

FアルファタウリAT02・ホンダ
No.10ピエール・ガスリー、No.22角田裕毅

昨年からチーム名称がアルファタウリに代わったこのチーム。なんとガスリーがイタリアGPで初優勝するという快挙を成し遂げた。
レッドブルRB15の血統を引くマシンとはいえ、ホンダエンジンの熟成が進むのと同時に一昨年から好調を維持。コンストラクターズ6位 を2年連続でキープするまで安定性を見せた。
予選でもQ3進出の割合が増えてくるなど、確実にマクラーレンやレーシングポイントと肩を並べるくらいまで速さを増している。
もちろんレギュレーション変更がない今シーズンも、好調だった昨年型AT01の正常進化型。RB15から引き継いだフロントセクションはほとんど変わっていない。ただ、このマシンはレースになるとタイヤに優しいと言う特徴を持っていたのも事実で、このあたりは大きく変えるべきではないという判断なのかもしれない。
リアカウル も正常進化しているが、エアボックス開口部が小さくなったように見える。カウル絞り込みも大きくなっており、どちらかというと上面絞り込み型。どうやら今シーズンのホンダエンジン はかなりコンパクトになったという話を聞くので、その利点を生かした変更かもしれない。
バージボード周辺昨年あたりからのトレンド通り複雑な形状。
全体に成功作をそのまま引きずっているのであまり書くことがない。今年も マクラーレン、ルノーと予選で互角に渡り合えるか?が鍵となるだろう。
ワークスとしては最後のシーズンになるホンダエンジンどこまでアドバンテージを築けるか?が鍵となるだろう。
AlphaTauri AT02 Honda
ドライバーは錯塩初優勝したガスリ-はもちろん残留。そしてクビアトに代わり、小林可夢偉以来となる日本人ドライバー角田裕毅が加わった。
ガスリーの昨シーズンは「クレバー」の一言!初優勝してからの走りの安定性は誰もが認めるところ。
そしてF2初参戦でランキング3位を獲得した角田の下馬評は高い。私も昨シーズンのF2は全戦見ていたが、チャンプのシューマッハよりも終盤は角田の方が安定して速かった。何よりもタイヤマネジメントの巧さは折り紙付き。
つまり2名 ともタイヤに優しいドライバーであり、さらにマシンもタイヤに優しい傾向にあるので、多少予選で遅かったとしても決勝では上位に食い込むことができる実力があるとみた。
この二人を加えたホンダエンジン4台で表彰台を独占してほしいものだ。

GアルファロメオC41 フェラーリ
No.7キミ・ライコネン、No.99アントニオ・ジョビナッツィー

アルファロメオレーシングチームと なって3年目の昨年はフェラーリエンジンの不調もあって、時折ウィリアムズにも後れを取るというテールエンダー争いの常連になってしまった。
この主要因がフェラーリエンジンのパワー不足によるところが大きいのはもちろんだが、一昨年型からほとんど変更をしなかった古風なマシンにも原因があるのは間違いない。私の予測が的中してしまった。
そしてレギュレーション変更がなくてマシン開発が制限されてしまった今年だが、他チームに比べて「大きな」変化を見て取れるマシンとなった。
一番目につくのはそのノーズ周り。明らかに細くなったノーズや複雑なアウトウォッシュ型ウィングなど、他チームで成功しているコンセプトをできる限り取り入れた形状に変化してきた。
フロントサスペンションもそれに合わせて形状を変化させ、他チームと同じような後傾型の形状を採用している。全体的にレッドブルのようだ。
またフロントサスペンションの上下アームの位置関係も特徴的で、他チームが比較的路面に押しつけるアーム形状になっているのに対して、このチームは並行マウント。これもフロント空力変更に伴って変更されたものだろう。
フロントにトークンを使ってしまったせいかリア周りはあまり変化がないが、ここは元々カウル正面の絞り込みが大きかったのでリアウィング効果は高そうだ。
いずれにしても昨年足を引っぱったフェラーリエンジンがどこまでパワーを挽回してくるか?が鍵になる。
AlfaRomeoC41 Ferrari 
ドライバーはコンビ3年目となるキミ・ライコネンとアントニオ・ジョビナッツィー。
ライコネンはあれだけ走らない昨年型のマシンでも、スタート1周で7台抜き去って帰ってくるなどのパフォーマンスを発揮していたし、ジョビナッツィーも 予選では時折ライコネンをしのいでいた。間違いなくマシンが速ければ上位に進出できる実力があるわけで、とにかくいいエンジンをフェラーリには用意してもらいたいものだ。
いぶし銀のようなこのチーム、是非アルファタウリあたりと肩を並べてほしいものだ。

Hハース・フェラーリVF21
No.9ニキータ・マゼピン、No.47ミック・シューマッハ

昨年、一昨年 と低迷を続けるハース。ウィリアムズというテールエンダーがなければ間違いなくこのチームが最下位。
昨年のVF20は、2021年の大幅なレギュレーション変更を視野に入れて開発を押さえてしまった感があり、それもあって「速さ」ではもはやアルファタウリにも 歯が立たないマシンになってしまった。証明したのはグロージャンの事故による「安全性の高さ」だけか?
そして今シーズンのVF21はなんとバーレーンテスト初日に発表された。しかしカラーリングを施したプレゼンテーション マシンとどこが違うの?ちょいうくらい変化が見られない。
新人2名を起用するこのチーム、もしかして今年は「捨てた?」
つまりマシンに関して書くことがない。
ただ、改良されたと言われる フェラーリエンジンを覆うカウルは上面が少しスリムになったように思う。
しかし、昨年型の成績を見る限りは大きく進化するとも思えないし、二人の新人を抱える状況ではテールエンダー間違いないというところか?
Haas VF21 Ferarri
ドライバーは4年間続いたグロージャンとマグヌッセンに代わり、なんとF2からステップアップの2人!
シューマッハはあのミハエルの実の息子。2020F2チャンプをひっさげてステップアップしてきた。正直言うとF2での走りは「いい子過ぎ」という感じ。特にタイヤの使い方には難があり、終盤ではタイヤを速く消耗して下位に落ちるレースが多かった。
マゼピンは「暴れん坊」という感じ。ずば抜けて速いのに自滅するのが定番。
二人とも「ラッセルに鍛えてもらいなさい」ということで、今年はテールエンダーに徹することになるだろう。
同期の角田がアルファタウリに乗るので、おそらく比較され続けるだろう。ひいき目に見なくても角田の方がドライバーとしては1枚上手だろう。

IウィリアムズFW43B・ メルセデス
No.63ジョージ・ラッセル、No.6ニコラス・ラティフィ

このところコンストラクターズ最下位の常連となったウィリアムズ。 しかし昨年はラッセルがQ2進出を何度も果たし、レース中も他チームと渡り合えるだけの戦闘力を見せるようになった。「期待値ゼロ」とか書いて申し訳ないことをした。
が、実際は最下位だったことも事実。ハースやアルファロメオと互角に渡り合ったのは、フェラーリエンジンの出来が昨年は最悪だったと言うこともある。
今シーズンはマシンの変更が許されないこともあって、昨年型のキープコンセプトとなるのは致し方ないところ。ただ、他のメルセデスエンジン搭載車と同様、リアカウルノアッパー側は若干盛り上がりが大きいように見える。ポンツーン後端の上面絞り込みは昨シーズンも同じだったので、ここは成功した空力と言えるだろう。
しかし残念ながらトークンをリアサイドに使ってしまっているのでフロント側はもちろんほぼ変化がない。本当はもう少しフロントサスペンションのレイアウトを変更したかったのではなかろうか?他チーム同様の前方へ押し出すようなレイアウトが使えれば、もっと戦闘力は上がったはずなのだ。
必ずアルファロメオとハースはフェラーリエンジンと共に熟成してくるはず。メルセデスエンジンのアドバンテージを生かして、他チームの戦闘力が上がる前に結果を残しておきたいところだろう。
Williams FW43B Mercedes
ドライバーは昨年と全く同じジョージ・ラッセルとニコラス・ラティフィのコンビ。
ラッセルは2019シーズンから時折 見せていた実力の片鱗を昨シーズン開花させたと言ってもいいだろう。新人だったとは言えチームメイトのラティフィを寄せ付けない速さと、1戦だけメルセデスワークスに乗った際の速さは素晴らしい。
これでマシンが言うことを聞いてくれさえすれば、この二人は必ず結果を残すはずだ。

さて、新車の発表からプレシーズンテストまで1週間しかなかったチームもある中、3日間しかないバーレーンテスト開催される。
全チームのマシンを見た状態で言えることは、「昨シーズンと大きく勢力図が変わるとは思えない」というもの。
ただ、昨シーズン大幅に戦闘力を落としたフェラーリパワーユニットがシーズンを左右することは間違いない。この辺はテスト結果を見て判断したいところ。
マシンの出来映えからすればメルセデスとアストンマーチンの完成度はピカイチのはず。レッドブルはナーバスなマシン特性を押さえ込むことが出来れば飛躍するはずだ。
ちょっと不気味な存在がアルピーヌと言えるだろう。ルノーの昨年型マシンはサーキットによっては爆発的に速かった。このピーキーなところをうまく生かした場合は相当化けそうだ。
アルファロメオは他チームと異なりフロント部分の改良にトークンを使用してきたところが吉と出れば中団争いに返り咲けるかもしれない。
ウィリアムズもドライバー、マシンとも基本構成が変わらないので、遅いといえども安定した結果は残しそうだ。
期待薄に見えてしまうのがハース。新人二人は粗さが目立つし、マシンもお世辞にも飛躍するとは思えない。頑張ってくれた前という感じ。

そして今年は3日間のみとなったバーレーンプレシーズンテストが3/12〜14に行われた。今年はDAZNでこのテストを全セッション生中継してくれたと言うことで、シーズン前のマシンの出来映えをじっくり観察することが出来た。
もちろんタイヤがC1〜C5まで5種類あるし、燃料積載量も非公開なのであくまでも挙動とタイムで判断するしかないのだが、昨年まではタイムしか情報が得られなかったことを考えれば大変ありがたい。まあ、トップタイムでも昨シーズンのポールタイムの2秒落ちではあるが。
ずばり!完成度が一番高いのがレッドブルではないかと思う。すべてのセッションにおいて安定していたし、初めて乗ったペレスがフェルスタッペンと遜色ないタイムをたたき出しているのも好材料だし、ロングランでも安定して同じタイムで走れているのが印象的。
同じホンダを積むアルファタウリも好調なようだ。マイナートラブルはあったようだが、ガスリーは一発の速さも見せている。
そして何にびっくりしたかというと、最終日最終セッションでの角田のパフォーマンス!C5タイヤとはいえトップタイムをマークするなどの圧巻の走りには世界が注目したはずだ。 ホンダエンジンは昨年に比べてターボの音がものすごく甲高くなった。おそらくターボの搭載位置が他のエンジンと違うのだろうが、ジェットエンジンのような音が印象的。
フェラーリエンジンも確かにパワーを挽回できているようで、フェラーリとアルファロメオは一昨年の速さを取り戻しつつあるように見える。特にフェラーリはリアセクションの改良が功を奏しているようで、コーナーでの挙動も安定していた。ストレートスピードは他のエンジンに比べるとまだまだという感じ。アルファロメオとハースはまだまだ戦えるタイムには届いていない。コーナーでのフロントの入りが良くないように見える。
メルセデスは盤石か?と思われたが、リアカウルを絞り込んだ攻めたデザインのせいか?メルセデスとアストンマーチンの2チームはコーナーでのリアの挙動が不安定に見える。タイムもテクニカル区間でロスしている状態で、このまま開幕となるとちょっと暗雲というところかもしれない。
逆に今年からメルセデスを積むマクラーレンは好調そのもの。あまり攻め込んでいないリアカウル形状だが、それが良かったのか?リアの挙動の乱れは見られない。ウィリアムズも速くはないが安定はしているという走りに見える。
今シーズン唯一ルノーエンジンを積むアルピーヌは正直読めない。特に挙動が悪いところは見当たらないのに遅いのだ。これはマシン挙動がナーバスなので踏めないだけなのか?はたまたそこまでスピードが出ないのか?とかいずれにしても序盤は厳しそうだ。
テスト結果を見る限りでの「ブラッディー」の速さ予想順は以下の通り。
@レッドブル
Aマクラーレン
Bアルファタウリ
Cフェラーリ
Dメルセデス
Eアルピーヌ
Fアルファロメオ
Gアストンマーチン
Hウィリアムズ
Iハース

注目の開幕戦は例年とは異なりバーレーンで迎えることとなった。今シーズンは史上最大23戦が組まれている。コロナの影響も心配されるし、無観客開催もありえるだろう。どうか無事に全戦開催されることを祈るしかない。
3月28日に開幕戦が行われ、12月12日が最終戦でありながら23戦というタイトなスケジュールは、チームにとっても大忙しだろう。
昨年開催予定だったベトナムはカレンダーから落ちたが、昨年復活予定だったのに開催できなかったオランダは開催されることとなった。
初開催となるのはサウジアラビアGP。ブラジルGPは主催がサンパウロの街になったためサンパウロGPと改名された。
また昨年復活したイモラでのGPは今年も継続されてエミリア・ロマーニャGPとして開催される。
日本GPは例年通りの10月3連休となったが、オリンピックに伴うスポーツの日変更で3連休ではなくなる可能性もある。
連戦は4回。そしてなんと3連戦が3回組まれている。これはタイトすぎるスケジュールだ。
・第3戦ポルトガルと第4戦スペイン
・第6戦アゼルバイジャンと第7戦カナダ
・第8戦フランスと第9戦オーストリア
・第12戦ベルギー、第13戦オランダ、第14戦イタリアの3連戦
・第15戦ロシア、第16戦シンガポール、第17戦日本の3連戦
・第18戦アメリカ、第19戦メキシコ、第20戦サンパウロ
・第22戦サウジアラビアと最終戦アブダビ
例によって夏休みが第11戦ハンガリーと第12戦ベルギーの間に4週間取ってあるのだが、夏休みを短くしても3連戦はやめた方がいいのでは?とか思ったりもする。

開幕戦 バーレーンGP 3月28日(タイヤC2,C3,C4)
第2戦 エミリア・ロマーニャGP 4月18日(イタリア・イモラ)
(タイヤC2,C3,C4)
第3戦 ポルトガルGP 5月2日(ポルティマオ)
(タイヤC1,C2,C3)
第4戦 スペインGP 5月9日(C2,C3,C4)
(タイヤC1,C2,C3)
第5戦 モナコGP 5月23日
(タイヤC3,C4,C5)
第6戦 アゼルバイジャンGP 6月6日
(タイヤC3,C4,C5)
第7戦 カナダGP 6月13日
(タイヤC3,C4,C5)
第8戦 フランスGP 6月28日
(タイヤC2,C3,C4)
第9戦 オーストリアGP 7月4日
(タイヤC2,C3,C4)
第10戦 イギリスGP 7月18日
(タイヤC1,C2,C3)
第11戦 ハンガリーGP 8月1日
(タイヤC2,C3,C4)
第12戦 ベルギーGP 8月29日
(タイヤC2,C3,C4)
第13戦 オランダGP(ザントフォールト) 9月5日
(タイヤC1,C2,C3)
第14戦 イタリアGP 9月12日
(タイヤC2,C3,C4) 
第15戦 ロシアGP 9月26日
(タイヤC3,C4,C5)
第16戦 シンガポールGP 10月3日
(タイヤC3,C4,C5)
第17戦 日本GP 10月10日
(タイヤC1,C2,C3)
第18戦 アメリカGP 10月24日
(タイヤC1,C2,C3)
第19戦 メキシコGP 10月31日
(タイヤC2,C3,C4)
第20戦 サンパウロ(ブラジル)GP 11月7日
(タイヤC2,C3,C4)
第21戦 オーストラリアGP 11月21日
(タイヤC2,C3,C4)
第22戦 サウジアラビアGP(ジェッダ市街地) 12月5日
(タイヤC2,C3,C4)
最終戦 アブダビGP 12月12日
(タイヤC3,C4,C5)

ということで予想の総括!
開幕ダッシュはおそらくレッドブル!メルセデスとアストンマーチンが序盤苦戦するという構図を予想してみた。
その対抗はマクラーレンでフェルスタッペンとリカルドの元チームメイトが争うと予測。
フェラーリは昨年ほど遅くはないが、安定してQ3進出位の成績は残すと考えられる。ずばりフェラーリと順位を争うのがアルファタウリだろう。
メルセデスはアゼルバイジャンあたりから元々のポテンシャルを発揮し始め、夏休み明けのベルギーではレッドブルと互角になる。
その頃のポイントランキングでシーズンの行方が左右されてくると考える。
チャンピオン候補は間違いなくフェルスタッペン。対抗はハミルトン。あわよくばの穴にリカルド、ペレスとしておこう。
フェラーリが大化けするとは思えないし、アルファタウリやアルピーヌがトップ争いに加われるポテンシャルはないとみた。

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